前回の記事では、
家族との価値観のすり合わせ
FIREを「共同プロジェクト」にする
という話をした。
ここまで来ると、多くの人が少しずつ“現実”として
FIREを意識し始めるタイミングだと思う。
そうなると、次に出てくる疑問はかなりシンプル。
で、FIREした後って、本当に幸せなの?
今日は、ここを真正面から考えてみたい。
よくあるFIRE後のイメージ
よくあるFIREのイメージは、こんな感じだと思う。
- 毎日自由
- ストレスゼロ
- 旅行三昧
- 好きなことだけして生きる
……と、思われがち。
でも、実際のFIRE後の生活は、もっと“人間らしい”。
結論
FIRE後は「天国」でも「地獄」でもない。
“自分が何者か”が問われ続ける生活になる。
- 仕事のストレスは減る
- 時間の自由は増える
- ただし「自分の人生と向き合う時間」も増える
これをどう受け止めるかで、
FIRE後の幸福度は大きく変わってくる。
FIRE後に直面しやすい“現実”
① 「暇」よりも「目的の喪失」がキツい
多くの人は「暇になるのが怖い」と言うけれど、
実際にしんどいのは、もう少し違うところにある。
- 何者でもなくなる感覚
- 会社の肩書がなくなる
- 人から“役割”で呼ばれなくなる
- 「今日、何して生きる?」を毎日問われる
この「役割の喪失感」は、想像よりも重たく感じることがある。
② 「自由」は、責任でもある
FIRE後は基本的に、
何をするか、何をしないか、
ほとんど全部“自分の選択”になる。
- 朝、何時に起きるか
- 一日をどう過ごすか
- 誰と関わるか、どんな場所に行くか
一見「楽そう」に見えるけれど、
その分だけ“決め続ける負荷”も増える。
③ 社会との距離感が難しい
FIRE後は、周りからこう見られることもある。
- 「働いていない人」
- 「不思議な人生を歩んでいる人」
その結果──
- 人によっては、孤立感を強く感じることもある
- 逆に、すごく開放的になって人間関係が広がる人もいる
ここはFIRE後の、大きな分岐点になりやすい部分。
でも、それでもFIREには大きな価値がある
ここまで読むと、
「なんだか怖い話ばかりだな」と感じたかもしれない。
でも、僕が本当に思っているのはこれだ。
FIREは「時間の主導権を取り戻す」という、
とんでもなく大きな意味を持つ。
✔ 精神的な余裕が圧倒的に増える
- 仕事のストレスから解放される
- 「やらされる人生」から距離が取れる
- 選択肢が増えることで、心の余白が生まれる
✔ 家族との時間・自分の時間を“ちゃんと”選べる
FIREは、
“時間”という、人生の中で最も貴重な資源を
取り戻す選択。
これは、数字では測れない価値だと思う。
✔ 働くことを「選択」にできる
FIRE=「働かない」ではなく、
働くかどうかを「選べる」状態に近づくこと。
この自由は、想像している以上に大きい。
後悔しないために大事なこと
① 「FIRE後に何をしたいか」を言葉にしておく
完璧に決める必要はない。
でも、「なんとなく」だけでFIREするのは、少し危険。
ざっくりした方向性だけでも言葉にしておきたい。
- 家族と過ごす時間を増やしたい
- ゆっくり勉強したい
- 趣味を深めたい
- 軽く働きながら、のんびり暮らしたい
こういう“答えのない目的”を持っているだけで、
後悔はかなり減る。
② 「人生=仕事」だった場合は特に慎重に
これまでの人生で、
- 仕事がアイデンティティの軸だった
- 会社が自分の居場所だった
こういう人は、FIRE後に「空白感」が出やすい。
だからこそ、
FIRE後にどんな役割やつながりを持ちたいかを、
少し丁寧に考えておきたい。
③ 「完璧なFIRE」を狙わない
FIREは、一発で“理想の形”を当てにいくゲームではない。
- 多少揺れていい
- 悩んでいい
- 途中で方向転換してもいい
FIREは、
“ゴール”ではなく、「人生の別ルートに入るだけ」。
そのくらいの柔らかさで捉えておくと、後悔しにくい。
僕の感覚
僕は、FIREは「楽して生きるため」のものではなく、
自分の人生をちゃんと生きるための手段だと思っている。
正解の人生なんてない。
完璧な幸福もない。
でも、
自分で選んだ人生なら、
その重さは「後悔」よりも「誇り」に近づいていく。
まとめ
- FIRE後は天国でも地獄でもない
- 「暇」よりも「役割の喪失感」が難しい
- それでも「時間の主導権」を取り戻す価値は圧倒的
- 後悔しないためには「方向性」と「覚悟」が必要
FIREは“逃避”ではなく、
人生の設計を変える選択。
次回予告(第15回)
次回は、
FIRE前にやっておいて良かったこと/やらなくて後悔する準備
をテーマに、
お金・生活・メンタル、具体的な「実務準備」に踏み込んでいく予定。
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