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15.FIRE前にやっておいて本当に良かったこと|逆に“準備不足だと後悔する”ポイント

前回の記事では、

FIRE後のリアル──幸福・暇・役割・後悔リスク

について整理した。

ここまで来ると、FIREが「夢」ではなく、
少しずつ「現実」の選択肢として見えてくる。

すると次に出てくるのは、とても現実的な質問だと思う。

「FIRE前って、何を準備しておけばいいの?」

今日はこれを、
「やっておいて良かった」+「やらないと危ない」
という視点で整理していく。


目次

結論

準備は “お金” だけじゃ足りない。
生活・心・人生設計までセットで整えて、
初めてFIREは安定する。


① お金の準備 ─ これは基礎。でも「数字だけ」で終わらせない

✔ 年間生活費を「現実の数字」で把握しておく

まずはこれが土台になる。

感覚ではなく、
自分の家計に基づいた“リアルな数字”を持っておく。

  • 固定費はいくら?
  • 変動費はいくら?
  • 「最低限」でいくら?
  • 「普通に幸せ」でいくら?

特に大事なのが、

  • 最低限ライン
  • 快適ライン(“普通に幸せ”ライン)

この2本のラインを持っている人は、かなり強い。


✔ FIRE用の資産設計をしておく

単に「◯◯円あればFIREできるらしい」という話ではなく、

  • 取り崩しルール
  • キャッシュポジション(現金比率)
  • 債券の役割

こういった“設計図”レベルまで落としておく。

このあたりは、このシリーズ前半で詳しく触れてきた通り。

「なんとなくイケるっしょ」ではなく、
「この設計なら戦える」と言える状態にしておきたい。


✔ 収入ゼロの期間をシミュレーションしておく

FIRE後の数年間、
あえて「収入ゼロ」を前提にシミュレーションしてみる。

  • もし想定より資産が減ったら?
  • もし想定より生活費が増えたら?
  • もし「やっぱり仕事したくなったら」?

こういう “もしも” を考えておくほど、
FIRE後の安心度は上がっていく。


② 生活の準備 ─ 「暮らしの設計」を甘く見ない

✔ 生活リズムを整える

FIRE後は、会社に「生活を管理されない」生活になる。

  • 何時に起きる?
  • 週のリズムはどうする?
  • 運動の時間は?
  • 家事の役割分担は?

「自由=ノールール」ではない。
自分でルールを作れるかどうかが大事になる。


✔ 楽しみを“後回しにしない”

ありがちな失敗がこれ。

「FIREしたらやろう」を増やしすぎること。

  • 旅行
  • 趣味
  • 勉強
  • 家族時間

こういうものは、
「FIREしてから」ではなく、少しずつもう始めておいた方がいい。

“FIREしてから考える”は、正直ちょっと遅い。


✔ 社会とのつながりを一度整理しておく

仕事を辞めると、思った以上に人間関係が減る。

  • 仕事仲間
  • 友人
  • コミュニティ

ここで一度、こんな問いを持っておきたい。

  • 誰と関係を続けたい?
  • どんな人と関わり続けたい?

これは、意識しておくだけでも価値がある整理だと思う。


③ 心の準備 ─ 実はここが一番大事

✔ “肩書きなしの自分” を受け入れる準備

会社の役職、職業名、立場……
こういった“看板”が、ある日ふっと外れる。

「ただの自分として生きる」

これは自由であり、
同時にかなりの負荷でもある。


✔ 「完璧なFIRE」を捨てる

FIREは、一度決めたら後戻りできない「到達点」ではない。

  • 迷っていい
  • 方向転換していい
  • セミリタイアに戻ってもいい

FIREは「人生のルート変更」くらいの感覚でいた方が、むしろ安定する。


✔ 「今が幸せじゃないと、FIREしても幸せにはならない」

少し厳しいけれど、かなり現実的な話。

  • 今の生活にすべて不満
  • 仕事がすべて悪
  • 人生の不幸の原因=会社

こういう状態だと、
FIREしても“思ったほど幸せになれない”ことが多い。

逆に、

「今の中にも、ちゃんと幸せを見つけられる人」

ほど、FIRE後の幸福度は高くなりやすいと感じている。


僕の感覚

僕の感覚では、FIREの成功は
「資産額」ではなく、“準備の質”で決まる。

  • 数字だけのFIREは折れやすい
  • 感情だけのFIREは危うい
  • 生活設計だけのFIREは持たない

大事なのは、この3つを
バランスよく整えていくことだと思っている。


まとめ

  • FIRE前の準備は、お金だけじゃ足りない
  • 生活リズムや暮らし方の設計が重要
  • 心の準備が、実はいちばん効く
  • 完璧じゃなくていい。でも「考えた形跡」は必要

FIREは、

“逃げる準備”じゃなくて、
“これからちゃんと生きる準備”。


次回予告(第16回)

次回は、

FIREの「お金以外のリスク」とどう付き合うか

医療、家族、ライフイベント、価値観の変化など──
長期視点のリスク設計について整理していく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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