前回の記事では、
FIRE前にやっておいて良かったこと
── お金・生活・心の準備
について整理した。
だいぶ現実的な話になってきたと思う。
すると次に出てくるのは、こんな感覚じゃないだろうか。
「でも…本当に、長い人生で大丈夫なのかな?」
今日は、FIREの“長期リスク”に向き合う回。
結論
FIREの本当のリスクは「数字」よりも、
“変化する人生に適応できるかどうか”。
FIREには “お金以外” のリスクがちゃんとある
① 健康のリスク
若い頃には軽視しがちだけど、これは本当に現実的。
- 自分の健康
- 配偶者の健康
- 親の健康・介護
- 子どもの事情
たとえば──
- 突然、働けなくなる可能性
- 介護が必要になる可能性
- 自由が「制限される未来」
これは、誰にでも起こり得る現実。
② 家族・人間関係の変化リスク
人生の中で、
- 家族の環境が変わる
- 子どもが成長し、価値観が変わる
- パートナーの人生観も変わる
FIREは「自分の人生」の話だけど、
同時に“家族の人生”にも深く関わる。
③ 社会・制度の変化
これも大きい。
- 税制が変わる
- 社会保障が変わる
- 経済環境が変わる
- 日本という国の前提そのものが変わる
FIREは“長く生きる前提の設計”。
つまり、“社会が変わる前提”でもある。
④ 自分の価値観が変わるリスク
じつはこれが、一番大きいかもしれない。
- 今は「自由が最優先」
- でも10年後は?
- 20年後は?
人間は変わる。
- もっとお金が必要になるかもしれない
- もっと刺激が欲しくなるかもしれない
- 逆に、ずっと静かに暮らしたいと思うかもしれない
FIREはゴールじゃなくて、
「途中経過」であり続ける。
じゃあどうすればいいのか?
① 「計画」より「柔軟性」を大事にする
FIREと聞くと、
- 完成された設計
- 変わらない計画
- 一度決めたら揺らがない人生
みたいなイメージになりがちだけど、
実際に大事なのは、
“修正できる余裕”があるかどうか。
✔ 収入の再開ラインを決めておく
- どんな状況になったら働く?
- どのレベルでセミリタイアに戻す?
- どのくらいの減少率で「危険サイン」と見る?
「最悪どうするか」を決めておくだけで、
安心感は一気に上がる。
② 「働かない人生」ではなく
「働きを“選べる人生”」という発想にする
これ、めちゃくちゃ大事。
FIRE=完全に労働ゼロ、
と固定してしまうと、
- 病気リスク
- 家族リスク
- 社会リスク
→ すべてが「一撃アウト」になりやすい。
でも、
- 必要なら、働いてもいい
- 働きたい時は働く
このスタンスにしておくだけで、
- 心理的余裕が増える
- 人生の選択肢が増える
- リスク耐性が一気に強くなる
③ 人とのつながりを「資産」として持っておく
FIRE=孤独になってしまう人は、少なくない。
人間関係はお金には換算できないけど、
人生の安定性を支える“もう一つの資産”。
- 仕事以外のつながり
- 学びのコミュニティ
- 趣味の仲間
- 家族との関係
これは、長期リスクを大幅に和らげてくれる。
④ 「理想の人生の固定化」という罠に近づかない
- こうあるべきFIRE
- こう生きたい理想像
- こうじゃなきゃいけない人生設計
こういう“理想”を固定化すると、逆に苦しくなる。
「今の自分に合う生き方」を、
その都度、選び直せる人。
このタイプの人は、長期的にものすごく強い。
僕の感覚
僕の感覚では、FIREの成功は
「動かない人生」を作ることじゃなくて、
“変化しても折れない人生”を作ること。
- 未来は揺れる
- 心も揺れる
- 人間関係も揺れる
でも──
「揺れても立て直せる構造」。
これが、FIREの本当の強さ。
まとめ
- FIREのリスクは「お金だけ」じゃない
- 健康・家族・社会・価値観は必ず変わる
- 大事なのは「柔軟性」と「修正できる設計」
- 働く自由・人とのつながりは強い武器
FIREは、
「人生の安定装置」ではなく、
“人生の自由度を最大化する装置”。
次回予告(第17回)
次回は、
FIREを目指す途中で“心が折れないための習慣”
モチベーションの保ち方、
疲れた時の付き合い方について整理していく予定。
コメント