前回は、
FIREの「お金以外」のリスク
そして“変化に耐えられる人生設計”
について整理した。
ここまで読んでくれている人は、
かなり本気でFIREを考えているはずだと思う。
ただ、ここでひとつ、ものすごく現実的な問題がある。
FIREって、“長期戦”なんですよね。
数年、10年、もしかしたら20年。
途中で折れてしまう人は、正直多い。
今日は、
どうすれば“折れずに続けられるか?”
ここにフォーカスして整理していきたい。
結論
「根性で頑張る」は続かない。
大事なのは、“折れない仕組み”を作ること。
FIREの道のりで、ぶつかりやすい壁たち
FIREを目指していると、多くの人がだいたい次のどれか(もしくは全部)に当たる。
✔ 株価が下がる → 不安になる
- 「積み立てが無駄に見える」
- 「やっぱりやめようかな…」と感じる
✔ 生活が忙しくなる → 意識が薄れる
- 子育てで手一杯
- 仕事が激務モード
- 引っ越し・転職などライフイベントが重なる
✔ 周囲と価値観が合わない → 疲れる
- 消費中心のライフスタイルが当たり前の世界
- 「今を楽しめ」という圧力
- 「なんでそんなに貯めるの?」という空気
✔ 未来が遠すぎて → モチベーションが消える
- 目標が遠すぎて現実感がなくなる
- 「別に今じゃなくてもいいか」と感じ始める
すべての人が、このどれかに、あるいは全部に、ある程度はぶつかると思う。
じゃあ、どうする?──5つの“折れない仕組み”
① FIREを「プロジェクト」ではなく、“生活習慣”にしてしまう
FIREを
「頑張って目指す大きな目標」
として抱え続けると、どうしてもしんどくなる。
そうではなく、
FIRE = “ただの生活ルール”
に落とし込めると、一気に続けやすくなる。
例えばこんなイメージ。
- 収入 → 一定割合を自動で積立に回す
- 生活費 → 使い方にシンプルなルールを決める
- 家計管理 → 月に◯回だけチェックすればOK
大事なのは、
「考えないでも続く状態」まで習慣化してしまうこと。
② 進捗を「数字」だけで管理しない
FIRE勢がやりがちなのが、
資産額 = モチベーション
という状態。
これはかなり危険で、
- 資産は市場に振り回される
- 努力と結果が必ずしも比例しない
だからこそ、「成長指標」を複数持っておきたい。
たとえば、こんなものも立派な進捗だと思う。
- 生活費が整ってきた
- 固定費がスリムになってきた
- 仕事への依存度が少し下がってきた
- 人生の自由度が少し増えた
こういう “広い成長” を見ておくと、数字が荒れても折れにくい。
③ 「今の人生」もちゃんと楽しむ
これは本当に大事だと思う。
FIREを真剣に目指すほど、
“今” が犠牲になりがち。
でも、
- 今がずっとしんどい
- 今がずっと我慢
- 今がずっと「耐えるだけ」
こんな状態は、どう考えても長く続かない。
だからこそ、
✔ 小さな幸福を削りすぎない
- ささやかな趣味
- 家族との外食やお出かけ
- ちょっとした楽しみ
- 心の余白を生む時間
こういうものを全部削るのは、むしろ逆効果。
「今も楽しい」人の方が、結果的に最後まで走り切れる。
④ 仲間・情報との“適切な距離感”を持つ
SNSやブログ界隈を眺めていると、
- もっと早くFIRE!
- もっと増やそう!
- まだまだ甘い!
みたいな空気を浴びがちだ。
✔ “燃え尽きる情報”とは距離を置いてもいい
- 比べすぎない
- 競争しない
- 自分のペースを守る
FIREは競争じゃない。
マラソンですらなくて、
各自の「人生旅行」みたいなもの。
⑤ 目的を定期的に「言葉に戻す」
時間が経つと、ほぼ確実にこうなる。
「そもそも、何のために目指してるんだっけ?」
これはサボりではなく、自然な現象だと思う。
✔ ときどき、立ち止まって考える
- 何のためのFIREなのか?
- 何を得たいのか?
- 何を守りたいのか?
こうやって、
目的を“言葉”に戻す習慣がある人は強い。
僕の感覚
僕の感覚では、FIREは「耐久レース」ではなくて、
“人生を整えていくプロセス”だと思っている。
- 生活が整っていく
- 生き方がシンプルになっていく
- お金の不安が少しずつ減っていく
この過程そのものが、
すでに “FIREの一部” なんだと思う。
まとめ
- FIREは「長期戦」だから折れやすい
- 根性ではなく「仕組み」で続ける
- 今の人生を犠牲にしすぎない
- 比べない・焦らない・自分のペースで進む
- 目的を定期的に「言葉」に戻す
FIREは、「どこかの到達点」にすべてがかかっているゲームではない。
人生の質を少しずつ高めていくプロセスそのものでもある。
次回予告(第18回)
次回は、
FIRE後の“働き方の自由”の使い方
をテーマに、
FIRE後の仕事・副業・ライフワーク・社会参加との付き合い方を整理していく予定。
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