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17.FIREは“長期戦”だから折れやすい|途中で心が折れないための思考習慣と続け方

前回は、

FIREの「お金以外」のリスク
そして“変化に耐えられる人生設計”

について整理した。

ここまで読んでくれている人は、
かなり本気でFIREを考えているはずだと思う。

ただ、ここでひとつ、ものすごく現実的な問題がある。

FIREって、“長期戦”なんですよね。

数年、10年、もしかしたら20年。
途中で折れてしまう人は、正直多い。

今日は、

どうすれば“折れずに続けられるか?”

ここにフォーカスして整理していきたい。


目次

結論

「根性で頑張る」は続かない。
大事なのは、“折れない仕組み”を作ること。


FIREの道のりで、ぶつかりやすい壁たち

FIREを目指していると、多くの人がだいたい次のどれか(もしくは全部)に当たる。

✔ 株価が下がる → 不安になる

  • 「積み立てが無駄に見える」
  • 「やっぱりやめようかな…」と感じる

✔ 生活が忙しくなる → 意識が薄れる

  • 子育てで手一杯
  • 仕事が激務モード
  • 引っ越し・転職などライフイベントが重なる

✔ 周囲と価値観が合わない → 疲れる

  • 消費中心のライフスタイルが当たり前の世界
  • 「今を楽しめ」という圧力
  • 「なんでそんなに貯めるの?」という空気

✔ 未来が遠すぎて → モチベーションが消える

  • 目標が遠すぎて現実感がなくなる
  • 「別に今じゃなくてもいいか」と感じ始める

すべての人が、このどれかに、あるいは全部に、ある程度はぶつかると思う。


じゃあ、どうする?──5つの“折れない仕組み”

① FIREを「プロジェクト」ではなく、“生活習慣”にしてしまう

FIREを

「頑張って目指す大きな目標」

として抱え続けると、どうしてもしんどくなる。

そうではなく、

FIRE = “ただの生活ルール”

に落とし込めると、一気に続けやすくなる。

例えばこんなイメージ。

  • 収入 → 一定割合を自動で積立に回す
  • 生活費 → 使い方にシンプルなルールを決める
  • 家計管理 → 月に◯回だけチェックすればOK

大事なのは、

「考えないでも続く状態」まで習慣化してしまうこと。


② 進捗を「数字」だけで管理しない

FIRE勢がやりがちなのが、

資産額 = モチベーション

という状態。

これはかなり危険で、

  • 資産は市場に振り回される
  • 努力と結果が必ずしも比例しない

だからこそ、「成長指標」を複数持っておきたい。

たとえば、こんなものも立派な進捗だと思う。

  • 生活費が整ってきた
  • 固定費がスリムになってきた
  • 仕事への依存度が少し下がってきた
  • 人生の自由度が少し増えた

こういう “広い成長” を見ておくと、数字が荒れても折れにくい。


③ 「今の人生」もちゃんと楽しむ

これは本当に大事だと思う。

FIREを真剣に目指すほど、

“今” が犠牲になりがち。

でも、

  • 今がずっとしんどい
  • 今がずっと我慢
  • 今がずっと「耐えるだけ」

こんな状態は、どう考えても長く続かない。

だからこそ、

✔ 小さな幸福を削りすぎない

  • ささやかな趣味
  • 家族との外食やお出かけ
  • ちょっとした楽しみ
  • 心の余白を生む時間

こういうものを全部削るのは、むしろ逆効果。
「今も楽しい」人の方が、結果的に最後まで走り切れる。


④ 仲間・情報との“適切な距離感”を持つ

SNSやブログ界隈を眺めていると、

  • もっと早くFIRE!
  • もっと増やそう!
  • まだまだ甘い!

みたいな空気を浴びがちだ。

✔ “燃え尽きる情報”とは距離を置いてもいい

  • 比べすぎない
  • 競争しない
  • 自分のペースを守る

FIREは競争じゃない。
マラソンですらなくて、

各自の「人生旅行」みたいなもの。


⑤ 目的を定期的に「言葉に戻す」

時間が経つと、ほぼ確実にこうなる。

「そもそも、何のために目指してるんだっけ?」

これはサボりではなく、自然な現象だと思う。

✔ ときどき、立ち止まって考える

  • 何のためのFIREなのか?
  • 何を得たいのか?
  • 何を守りたいのか?

こうやって、
目的を“言葉”に戻す習慣がある人は強い。


僕の感覚

僕の感覚では、FIREは「耐久レース」ではなくて、
“人生を整えていくプロセス”だと思っている。

  • 生活が整っていく
  • 生き方がシンプルになっていく
  • お金の不安が少しずつ減っていく

この過程そのものが、
すでに “FIREの一部” なんだと思う。


まとめ

  • FIREは「長期戦」だから折れやすい
  • 根性ではなく「仕組み」で続ける
  • 今の人生を犠牲にしすぎない
  • 比べない・焦らない・自分のペースで進む
  • 目的を定期的に「言葉」に戻す

FIREは、「どこかの到達点」にすべてがかかっているゲームではない。
人生の質を少しずつ高めていくプロセスそのものでもある。


次回予告(第18回)

次回は、

FIRE後の“働き方の自由”の使い方

をテーマに、
FIRE後の仕事・副業・ライフワーク・社会参加との付き合い方を整理していく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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