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22.FIREの「年間生活費」をどう考える?──“理想”ではなく“現実に使える数字”に落とす方法

ここまでで、FIREという考え方の前提、考え方、そして設計の方向性について整理してきた。
今日はいよいよ、FIREの超重要パーツのひとつである

「年間生活費」をどう考えるか?

ここをちゃんと整理していく回。


目次

結論

年間生活費は「理想の数字」を作るものではない。
“現実に使える判断軸”として設計するもの。

これがめちゃくちゃ大事。


なぜ「年間生活費」がそんなに重要なのか?

理由はシンプルで、FIREの必要資産は、基本的に

年間生活費 × 25倍 = 目安
  

という考え方で決まることが多いから。

つまり、

年間生活費がズレていると、
FIREの設計が最初からズレる。

だからここは、“雑に決めたくないところ”。


「今の生活費」だけを見るのは危険

多くの人がやりがちなのが、

今の生活費 × 12ヶ月 = 年間生活費

という考え方。

もちろん、それもひとつの参考にはなるけれど、
FIREを考えるなら、もう少しだけ視野を広げておきたい。

  • 今後の家族構成
  • 住居の変化
  • 教育費
  • 老後の生活イメージ
  • 仕事を辞めた後の生活スタイル

こういうものが関係してくる。


おすすめは「3つの生活費ライン」を持つこと

年間生活費を考えるときに、僕がおすすめしたいのは、

年間生活費を“1つの数字”で固定しないこと。

代わりに、

  • 最低限でも幸せに暮らせるライン
  • 今と近い感覚で暮らせるライン
  • 少し余裕を持って暮らしたいライン

こういう「3つのレンジ」を持っておく。


① 最低限でも幸せに暮らせるライン

ここは、

「贅沢はしないけど、ちゃんと幸せに暮らせる」

という最低限の生活費。

いわゆる「我慢してギリギリ耐える生活費」ではなく、

「無理なく、ちゃんと人として豊かに暮らせるライン」

というのがポイント。


② 今と近い感覚で暮らせるライン

次は、

「今の生活レベルとそんなに変わらないな」

と感じるライン。

・週末に少し遊べる
・趣味もある程度楽しめる
・家族イベントもちゃんとできる

そんな現実的な感覚の生活費。


③ 少し余裕を持って暮らせるライン

そしてもうひとつ、

「少し余裕がある暮らし」

の生活費も考えておく。

例えば、

  • 旅行を増やしたい
  • 子どもとの思い出にお金を使いたい
  • 趣味の幅を少し広げたい

こういう未来まで含めた生活費ライン。


“幅”を持った生活費は、精神的にも強い

年間生活費を「◯◯万円ピッタリ!」と固定してしまうと、

  • その数字に縛られやすい
  • そこからズレると、不安になりやすい
  • FIRE=一発勝負っぽく感じやすい

でも、

「最低限」「標準」「少し余裕」

という3つを持つだけで、

  • 柔軟に考えられる
  • 現実に合わせやすい
  • 精神的にかなり楽

というメリットがある。


「未来を完璧に当てる」必要はない

年間生活費を考えるときに、
つい

「完璧な数字を出さないといけない」

と思いがち。

でも現実は、

  • 生活は変わる
  • 家族は変わる
  • 価値観も変わる

だから、

今の自分が考えられる「現実的な仮の答え」

くらいで十分。


僕の感覚

僕の感覚では、年間生活費を考える作業は、
「お金の計算」というより、
「どんな生活を送りたいか?」を考える作業。

「削れるかどうか?」より、
「どういう生活なら幸せか?」を考える方が、
結果的にブレないFIREの設計につながる気がしている。


まとめ

  • 年間生活費はFIRE設計の超重要パーツ
  • 今の生活費だけで考えない
  • 「最低限」「標準」「少し余裕」の3ラインで考える
  • 未来を完璧に当てる必要はない
  • 生活費=「生き方の設計」でもある

次回は、いよいよ

「じゃあ、FIREにいくら必要なのか?」

4%ルールを“現実に使える形”で、丁寧に整理していく回に進む予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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