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34.FIREと保険、本当に必要なのはどれ?──生命保険・医療保険・就業不能・学資保険を整理する

前回の記事では、

住宅とFIREの関係(持ち家 vs 賃貸)

について整理した。

もう一つ、FIREと切っても切れない「固定費としての大物」がある。

保険、どうする問題。

今日は、FIRE目線で保険をどう考えるかを整理していく。


目次

結論:「家計が壊れるリスク」だけ保険でカバーする

保険は「全部に備える」ものじゃない。
自力では立て直せないダメージだけ、保険で肩代わりしてもらうもの。

FIRE目線で大事なのは、

  • 何でもかんでも保険に入らない
  • 貯蓄でカバーできるリスクは貯蓄で備える
  • 本当に家計が壊れるリスクだけ、保険で補う

まず「公的保険」をざっくり知っておく

細かい制度を全部覚える必要はないけれど、最低限これくらいは頭に置いておきたい。

  • 高額療養費制度
  • 傷病手当金
  • 障害年金
  • 遺族年金

すでにかなりの部分を「公的保険」で守られている、という前提に立つ。
そのうえで、足りない部分だけ民間保険で補うイメージ。


生命保険(死亡保障) × FIRE

生命保険の役割

  • 働き手が亡くなったとき
  • 残された家族の生活費・教育費をカバーする

独身・扶養家族なしなら、大きな死亡保障は不要なことが多い。
一方で、小さな子どもがいたり、片働き世帯だったりする場合は、
一定の死亡保障は「家族の安心コスト」として意味がある。

FIRE目線でのポイント

  • 資産が増えるほど、必要保障額は下がる
  • 基本はシンプルな掛け捨て・定期で十分なことが多い
  • 「家族が最低限困らないライン」を冷静に計算する

医療保険 × FIRE

医療保険は、かなり意見が分かれる領域。

よくある不安

  • 入院したらお金が不安
  • がんなど大病が怖い
  • とりあえず入っておくべきな気がする

ただ実際には、

  • 高額療養費制度で自己負担には上限がある
  • 入院日数は昔より短期化している

FIRE目線での考え方

「医療費の自己負担分くらいは、貯蓄でカバーできるか?」

  • 生活防衛資金+αがあれば、軽〜中程度の医療リスクは貯蓄で対応できることが多い
  • 一生分の医療費を保険で完璧にカバーしようとすると、保険料が家計を圧迫する

「必ず医療保険はいらない」と言いたいわけではなく、
公的保険を踏まえたうえで、本当に自分たちに必要か考えてみよう、というスタンス。


就業不能保険 × FIRE

FIRE視点で「検討する価値がある」のはここ。

役割

  • 病気やケガで長期的に働けなくなったとき
  • 一定期間の収入を補う

特に、FIRE前で資産がまだ十分でなかったり、
住宅ローンや小さな子どもがいる場合は、
「働けないリスク」が家計にとって大きな打撃になりやすい。

FIRE目線でのポイント

  • 保障を盛りすぎると保険料が重くなる
  • 「家計が壊れるライン」だけ最低限カバーするイメージ
  • 資産が貯まってきたら、縮小や解約も選択肢

学資保険 × FIRE

学資保険は「教育費の貯金を保険の形でやりましょう」という商品。

特徴

  • 利回りは決して高くない
  • 途中解約に弱い
  • 受け取り時期がガチガチに決まっている

FIRE目線での考え方

  • インデックス投資+現金の組み合わせでも教育費設計はできる
  • 「家計全体の設計」の中で教育費バケツを作る方が柔軟な場合も多い

強制力がないと貯められない人には合うこともあるが、
「学資保険に入った=教育費は完全に安心」と思い込みすぎないことが大事。


FIREを遠ざける「保険の罠」

  • とりあえずいろいろな保険に加入
  • 保険料だけで毎月数万円
  • そのせいで貯蓄・投資が進まない

将来の不安を減らすつもりが、
逆にFIREを遠ざけてしまうパターン。

保険は「不安ゼロ」にする道具ではなく、
「最悪の事態でも人生が詰まないようにする」ための道具。


FIRE × 保険のシンプルな整理ステップ

  1. 公的保険をざっくり把握する
  2. 家計が本当に壊れるリスクを書き出す
  3. 貯蓄・資産でカバーできるか確認する
  4. どうしても穴になる部分だけ保険で補う

この順番で考えると「とりあえず保険」から卒業しやすい。


僕の感覚

保険は安心を買うものだけど、
買いすぎると自由を奪う。

不安ゼロを目指すと保険料が重くなる。
保険料が重くなると、貯蓄と投資が進まない。
結果としてFIREが遠ざかる。

ほどよい不安と、ほどよい安心。そのバランスが大事だと思っている。


まとめ

  • 保険は「家計が壊れるリスク」に絞って使う
  • 公的保険の上に民間保険を最小限のせる発想
  • 生命保険は家族構成・資産状況で決める
  • 医療保険は公的制度+貯蓄でどこまでいけるか一度考える
  • 就業不能はFIRE前・子育て期ほど検討価値あり
  • 学資保険は「貯金の仕組み」として使うかどうか

次回は、「FIRE × 税金・社会保険のざっくり設計」をテーマに、
所得税・住民税・社会保険料と、FIRE後の働き方(フルタイム → 週3など)の関係を整理していく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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