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40.FIRE後、家族とずっと一緒は本当に幸せ?──「家族時間」と「自分時間」のちょうどいいバランスの探し方

前回の記事では、

FIRE後の孤独感と、会社のつながりが消えた後の「居場所づくり」

について整理した。

孤独の話をすると、セットで出てくるテーマがもう一つある。

家族との時間、どこまで増やすのが“ちょうどいい”んだろう?

家族時間を増やしたくてFIREを目指したのに、
いざ時間が増えると「ずっと一緒」はそれはそれでしんどい。
今日は、FIRE後の「家族時間」と「自分時間」のバランスについて考えてみたい。


目次

結論:「家族100%」でも「自分100%」でもない

家族のために全部の時間を捧げるのではなく、
家族が安心できるベース+自分の軸となる時間を両方確保する。

100%家族時間だと自分が枯れていく。
100%自分時間だと、家族が不安になる。
「家族の安心ライン」と「自分の芯となる時間」を先に決めておくと、関係がかなり安定する。


FIRE後に起こりがちな「時間のすれ違い」

① 「せっかく時間があるんだから、一緒にいてほしい」問題

  • パートナー:家にいるなら、もっと家族時間に使ってほしい
  • 本人:自分の勉強や趣味にも時間を使いたい

どちらも間違っていない。ただ「暗黙の期待」がズレているだけ。

② 「家にいるのに、ずっとPC(スマホ)いじってる」問題

本人にとっては「仕事/学び/情報収集」。
家族から見ると「一緒にいるのに、こちらを見てくれない」時間になりがち。

物理的に一緒にいることと、
心理的に一緒にいることは別もの。

③ 「自分時間」に罪悪感を覚えがち

家族のためにFIREしたつもりなのに、
実際は自分の趣味や学びの時間も欲しくなる。
「これってワガママかな…?」とモヤモヤしやすい。


「3つの時間」で考えると整理しやすい

FIRE後の時間は、ざっくり3つに分けて考えると整理しやすい。

  • 家族の“安心”を支える時間
  • 自分の“芯”を支える時間
  • フリーな余白時間

① 家族の“安心”を支える時間

  • ご飯・お風呂・寝かしつけ
  • 夕方〜寝る前などの「黄金時間」
  • 週末の家族イベント・外出

ここは「優先度S」。先にカレンダー上でブロックしてしまう。

② 自分の“芯”を支える時間

  • 勉強(読書・資格・語学など)
  • 趣味(運動・創作・ゲームでもOK)
  • ちょっとした仕事・副業・ライフワーク

「これがあると、自分でいられる」という時間を、細くてもいいので持っておく。

③ フリーな余白時間

  • あえて予定を入れない時間
  • 疲れていたら休む
  • 元気なら家族や趣味に使う

「予定を入れない」という予定も大事。FIRE後は、予定を詰めすぎても疲れる。


具体的な時間配分ステップ

ステップ1:一週間の「家族の安心ライン」を一緒に決める

  • 平日:何時〜何時を家族タイムにするか
  • 週末:どのくらい一緒に過ごしたいか
  • どこまでやってくれたら「安心」と感じるか

「なんとなく」ではなく、一度ゆるく言葉にしてみるだけでだいぶ違う。

ステップ2:自分時間の“固定枠”を置く

例:

  • 平日午前:9〜12時 → 自分の学び・仕事
  • 午後:家事+少し自分時間
  • 夜:家族タイム優先

週に2〜3コマでもいいので、「ここは原則、自分時間」と決めておく。

ステップ3:月1くらいで「配分レビュー」

  • 最近、家族はどう感じているか
  • 自分はちゃんと回復できているか
  • 増やしたい時間・減らしたい時間はあるか

最初の設計が永遠の正解ではない。定期的に少しずついじる前提にしておく。


タイプ別・時間設計イメージ

パターンA:小さい子どもがいる家庭

  • 平日日中:子どもが保育園・学校 → 自分時間+家事
  • 夕方〜夜:完全に家族タイム
  • 土日のどちらか:家族イベントデー
  • もう片方:半日自分時間、半日家族時間

「子どもが起きている時間は、できるだけちゃんと向き合う」を意識すると、
家族の安心度がかなり上がる。

パターンB:夫婦二人(子育てひと段落/子なし)

  • 平日日中:それぞれ好きなことをする
  • 夜:一緒にご飯+少し話せる時間
  • 週末:どちらか一日は一緒に出かける or ゆっくり過ごす

「一緒の時間」と「別々の時間」を意識して両方キープするのがポイント。


僕の感覚

「家族のために全部の時間を差し出す」のは、
短期的には美談っぽく見えるけど、長期的にはあまりうまくいかない。

自分がすり減るとイライラしやすくなるし、
「これだけやってるのに」という気持ちも溜まりやすい。
結果的に家族関係がぎくしゃくしやすい。

逆に、家族の安心ラインを満たしたうえで、
自分の芯となる時間もちゃんと持っている人の方が、
長い目で見ると家族に優しくなれる。

FIREは、家族を「時間で埋め尽くす」ためのものではなく、
家族と自分のどちらも大事にする余裕を作るためのもの。


まとめ

  • FIRE後は「家族時間」と「自分時間」のバランス問題が出やすい
  • 家族100%/自分100%どちらかに振り切ると、どこかで無理が出る
  • まずは「家族の安心ライン」を一緒に決める
  • そのうえで、自分の芯を支える時間を細くても固定枠として持つ
  • 一週間〜一ヶ月単位で、少しずつ配分を調整していく
  • 長期的には「家族も自分も、どちらも大事にする設計」が一番強い

次回は、「FIRE後、どこに住むか問題」をテーマに、
都市か地方か/実家の近くか/気候や物価など、住む場所と生活コスト・幸福度の関係を整理していく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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