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41.FIRE後、どこに住むのが正解?──住む場所と「生活コスト・仕事・幸福度」の考え方

前回の記事では、

家族時間と自分時間のバランス設計

について整理した。

時間の次に、ほぼ確実にテーマになるのがこれだと思う。

FIRE後、どこに住むのがいいんだろう?

都市か、郊外か、地方か。
実家の近くか、気候重視のエリアか。
家賃・物価・コミュニティ・仕事のしやすさ…。

この記事では、FIRE後の「住む場所」について、
主な判断軸と代表的なパターン、決める前に確認しておきたいポイントを整理していく。


目次

結論:コストだけで決めない

「住む場所」=生活コストだけで決めない。
生活コスト × 仕事のしやすさ × サポート体制 × 暮らし方との相性。
この“トータルバランス”で考える。

  • 最安の場所 = 最適な場所 とは限らない
  • 収入の取りやすさ・医療・子育て・実家との距離もセットで見る
  • 「試しに住んでみる余白」を残しておくと失敗しにくい

FIRE後の「住む場所」を決める5つの軸

① 生活コスト(家賃・物価)

  • 家賃/住宅費
  • 食費・日用品
  • 車の維持費・交通費

家賃が下がれば、FIREに必要な資産額も下がる。
ただし「車前提」「店が少ない」など、別のコストが増えることもある。

② 仕事・副業のしやすさ

  • 求人・仕事の機会
  • コワーキングスペースなどの環境
  • ネット回線の安定度

完全リタイアではなく、セミリタイア・軽い仕事を続ける人も多い。
「ちょっと働きたい」と思ったときに、仕事が見つかる場所かどうかは意外と大事。

③ 医療・子育て・教育環境

  • 病院の数・アクセス
  • 小児科・総合病院までの距離
  • 保育園・学校・習い事の選択肢

特に小さい子どもがいる家庭や、
自身・親の健康リスクを意識している人にとっては、
生活コストより優先度が上がることもある。

④ 実家との距離・サポート体制

  • 実家・親族までの距離
  • 介護リスク
  • いざというときのサポートの有無

FIRE後は時間の自由が増える一方で、
親世代のサポート役になる可能性も高まる。

⑤ 自分たちの「暮らし方」と相性が合うか

  • 車中心か、徒歩・自転車中心か
  • 人混みが好きか、静かな環境が好きか
  • 趣味(アウトドア/インドア)との相性

場所が変わると、日常の小さな選択がすべて変わる。
この感覚は、実際に歩いてみないと分かりづらい。


代表的なパターン別イメージ

パターンA:都市寄り(大都市・政令市)

メリット

  • 仕事・バイト・副業が見つかりやすい
  • 医療・教育・サービスの選択肢が豊富
  • 趣味・娯楽のバリエーションが多い

デメリット

  • 家賃・物価は高めになりがち
  • 人混み・騒音・刺激が多い
  • ついお金を使いやすい環境

向いている人

  • セミリタイアで、まだ結構働きたい
  • 子育て・教育の選択肢を広く取りたい
  • 趣味や学びで外出することが多い

パターンB:郊外・ベッドタウン

メリット

  • 家賃は都市部より抑えやすい
  • 都市にも電車や車でアクセス可能
  • 住宅街としての暮らしやすさが高いことが多い

デメリット

  • 車がほぼ必須の地域もある
  • 仕事・サービスは都市ほど豊富ではない
  • 平日昼間は静かで、人との接点が減りやすい

向いている人

  • 都市の便利さは捨てたくないが、コストも下げたい
  • 子育て環境とパート・バイトなどを両立したい
  • いきなり地方移住は重いので、中間を取りたい

パターンC:地方・移住寄り

メリット

  • 住宅費・家賃・土地が安い
  • 自然が近い/生活リズムがゆったりしやすい
  • コミュニティによっては人との距離が近い

デメリット

  • 仕事の選択肢が少ない(特に雇われ仕事)
  • 医療・教育・交通などの選択肢は限られがち
  • コミュニティに馴染めるかどうかの差が大きい

向いている人

  • 完全リタイア寄り・仕事はオンライン中心
  • 自然の近くでスローライフを送りたい
  • すでに縁のある地域・戻りたい地元がある

パターンD:二拠点生活・季節で分ける

例:

  • 普段は郊外/地方、時々は都市のウィークリーマンション
  • 夏は涼しい地域、冬は暖かい地域

メリット

  • 「あっちの良さ」と「こっちの良さ」を両取りできる
  • 気候・気分・家族事情に合わせて動ける

デメリット

  • 家賃・光熱費などコストが二重になりやすい
  • 拠点移動の手間・管理コストが増える

決める前にやっておきたいチェックリスト

① 「今の暮らし」の満足・不満足を書き出す

  • 今の地域の好きなところ
  • 不便・不満に感じているところ
  • 変えたいのは「場所」なのか、「仕事」なのか、「家の中のルール」なのか

意外と、場所を変えなくても改善できる不満も多い。

② お試し期間・ショートステイを挟む

いきなり「家を買って移住」はリスクが高い。
まずは1〜2週間の滞在で、

  • 平日と休日の両方を経験する
  • スーパー・病院・駅・公園など生活動線を実際に歩いてみる

③ 場所ごとに「FIRE後の生活費」をざっくり試算する

  • 家賃(or 固定資産税+維持費)
  • 食費・日用品
  • 車の有無・ガソリン・駐車場
  • 通信費などの固定費

家賃が下がっても、車コストや光熱費が上がることはある。
「トータルでいくらかかりそうか?」で見るのがポイント。

④ 「戻れる選択肢」を残しておく

  • 最初は賃貸にしておく
  • 実家や旧居に戻るとしたらどうするかも一応考えておく
  • 「最悪戻れる」と思えるだけで心理的にかなり楽になる

僕の感覚

FIRE後の「住む場所選び」は、
一発で正解を当てにいくゲームじゃない。

まずは「今よりちょっと良くなりそうな場所」を選ぶ。
実際に暮らしてみて、合わなければまた動く。
人生のフェーズが変われば、住む場所を変えてもいい。

FIREは、一度決めたら二度と動けない「永住地」を決める話ではなく、
ライフステージに合わせて「拠点を選び直す自由」を得る話、
くらいの温度感でとらえておいた方がラクだと思う。


まとめ

  • FIRE後の「住む場所」はコストだけで決めない
  • 生活コスト/仕事のしやすさ/医療・教育/実家との距離/暮らし方との相性で見る
  • 都市・郊外・地方・二拠点、それぞれにメリットとリスクがある
  • いきなり決めずに「お試し滞在」を挟むと失敗しにくい
  • 「戻れる余地」を残しておくと心理的ハードルが下がる
  • FIREの強みは、「住む場所も含めて選び直せる自由」にある

次回は、「FIRE後の1日の過ごし方」をテーマに、
ルーティンづくりと、だらけすぎないためのゆるい設計について整理していく予定。

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30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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