前回の記事では、
会社を辞めなくても「FIRE寄りの働き方」に寄せていく。
完全FIREだけが正解ではなく、“FIRE度を上げる”だけでも人生はかなり変わる。
という話をした。
ここまで来ると、FIREは「一度計画を立てたら、あとは淡々と積み立てるだけ」というイメージになりがちだ。
でも実際は、収入も家族も価値観も世の中も、ゆっくり変わっていく。
この記事では、FIRE計画を「作って終わり」ではなく、
年1回アップデートしていくための“FIRE定期点検のやり方”を整理する。
結論:FIRE計画は“毎年アップデートする設計図”
FIRE計画は「守るべき聖書」ではなく、
毎年アップデートしていく設計図。
年1回(+大きな変化があったタイミング)で、
数字・暮らし・働き方・家族・メンタルを軽く棚卸しして、
必要なら“小さく修正”していく。
FIRE計画を見直すタイミング
① 年1回の“定期点検”
- 年末年始
- 誕生日
- 決算月・ボーナス時期
どこか1つ、「振り返りしやすい時期」を決めておく。
② イレギュラー点検(イベントがあったとき)
- 転職・昇進・減給など収入が大きく変わった
- 結婚・出産・介護など家族構成が変わった
- 住宅購入・引越し・進学など固定費が増減した
- どう考えてもメンタルが限界、と感じたとき
「しんどい」と感じたタイミングも、立派な“見直しサイン”。
FIRE定期点検で見るべき5つの項目
① 数字:資産と生活費のバランス
- 現在の総資産
- 年間の実際の生活費
- 目標としているFIRE必要資産との距離
「現状を直視すること」がいちばん大事。
② 暮らし:生活満足度と消耗度
- 今の生活、10点満点で何点?
- この1年で一番しんどかったことは?
- この1年で一番うれしかったことは?
削りすぎている部分と、意外と余裕がある部分が見えてくる。
③ 働き方:FIRE度は上がっているか?
- 残業時間・在宅日数・責任の重さはどう変わったか?
- 去年よりFIRE寄りになった実感はあるか?
資産だけでなく「働き方」もFIRE寄りに寄せられているかを見る。
④ 家族:価値観と温度感の変化
- 家族のお金・住まい・教育・介護の話題は変化していないか?
- FIREの話をしたときの反応・温度感はどうか?
FIREは一人で突っ走るより、「家族の変化」を拾いにいく方が安定する。
⑤ メンタル:このペースをあと5年続けられるか?
「今の働き方・生活を、あと5年続けられる?」
→ YES / NO / 正直ツラい
ここが「正直ツラい」なら、目標やペースの見直しが必要なサイン。
実際にどう修正すればいいか?
① 目標金額・時期を微調整する
- フルFIREだけでなく、セミFIREやFIRE寄り働き方も選択肢に入れる
- 「45歳まで」から「50歳まで」など、少しだけ余白を増やす
② 積立額・投資比率を調整する
- 積立がキツいなら、少し下げてでも「続けられる額」にする
- 株式比率が高すぎてしんどいなら、債券・現金を少し増やす
③ 働き方の小さな変更を1つだけ決める
- 「残業を月◯時間以内にする」
- 「週1日はノー残業+自己投資デーにする」
- 「在宅勤務を週◯日は確保するよう交渉する」
④ 家族との会話を“年1アップデート”する
- 今年の家計・資産・これからの方針をざっくり共有
- 「どういう暮らしができたらうれしい?」を聞いてみる
ゴールは説得ではなく、「今どのあたりにいるか」を一緒に眺めること。
「やめる勇気」と「続ける勇気」
FIRE定期点検をしていると、
- やめた方がいいこと
- 続けた方がいいこと
が見えてくる。
やめてもいいこと
- 自分をすり減らすほどの残業
- 毎日「限界まで削る」節約
- 理解されない相手にFIREを語り続けること
続けた方がいいこと
- 自動積立・自動振替
- 毎月のざっくり家計チェック
- 年1回のFIRE定期点検
FIREは「気合いを入れる日」より、
「淡々と続ける仕組み」の方がよほど効く。
僕の感覚
FIRE計画の“良し悪し”は、
内容そのものより「どれだけ柔軟にアップデートできるか」で決まる。
いい計画を作ろうとしすぎて疲れるより、
7割の計画を作って、毎年ちょっとずつ直していく。
このくらいの温度感が、一番ちょうどいいと思っている。
まとめ
- FIRE計画は「一度作ったら終わり」ではなく、毎年アップデートしていく設計図
- 年1回+大きな変化のあったタイミングで“FIRE定期点検”をする
- 数字・暮らし・働き方・家族・メンタルの5項目をチェックする
- 目標金額・時期・積立額・投資比率・働き方を、小さく微調整していけばいい
- 「やめる勇気」と「続ける勇気」を両方持てる人が、長期戦に強い
- 完璧な計画より、「直しながら進める前提」で考えた方が心が軽い
次回は、「FIRE情報に振り回されない“情報ダイエット”のコツ」をテーマに、
SNS・YouTube・ブログとの距離感や、他人の実績を見たときに心を守る方法を整理する予定。
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