皆さんは好きな作家さんっていますか?
僕は複数いるのですが、真っ先に有川浩(ありかわひろ)さんをあげさせてもらってます。
ひろし、と間違う方もいますが、ひろと読みます。女性です。
僕が大学時代の青春を捧げた作家である有川浩さん。
ベタ甘と言われる、ベタベタに甘い作風や、物語から感じる有川浩さんの考え方・人間性にものすごく惹かれました。
現在書籍化されている作品はエッセイ含めすべて読んでいます。
この記事では、そんな有川浩フリークの僕が是非皆さんに読んでいただきたい、おすすめ作品5選をランキング形式でご紹介します。
普段読書慣れしていない人でも読みやすい文体、内容ですので是非手に取ってみてください。
なお、ランキングは僕ぴかけんの主観と独断ですので、ご了承ください。
第1位 『ストーリーセラー』
病に侵された女性作家と、それを支える優しい夫の物語。「書ける側」の妻と「読む側」の夫の関係にただただ憧れてしまいます。
初めてこの作品を読んだとき、飛行機の中にも関わらず涙が止まりませんでした。
僕が有川浩ファンになったきっかけの作品でもあります。
お涙頂戴の病気モノは敬遠していた僕ですが、そんな感情ごと吸い込んでしまうほどの吸引力を持った作品です。
2人の出会いのシーンから付き合うに至るまで、そして妻の仕事を支える夫の姿と、本好きにはたまらないシチュエーションのオンパレード。
しかし、有川さんらしく、物語の端々に人間の嫌らしさ、汚さが垣間見え、ただ気持ちのいい作品というわけではありません。
そんな時に夫がかける優しい言葉に、男の僕もうっとりします。
これは有川さんの恋愛モノ作品全体に共通する特徴ですが、とにかく男性のセリフが優しくてかっこいいです。
『俺は君を甘やかすのが好きなの。君を甘やかすのが俺の人生の目標と言っても過言じゃないね。どうだ嬉しいか。』
……最高じゃないですか…..?
思い入れがとても強く、語り尽くせないので別記事にて改めてご紹介します。
第2位 『植物図鑑』
普通の会社員さやかは、家の前で倒れこんでいた謎のイケメンを拾ってしまう。
初対面のイケメンと一緒に暮らすことになって、さやかの生活が、人生が変わっていく…。
とにかくイツキのイケメンっぷりを堪能する作品。
素性が謎のイツキは、礼儀正しい、家事は万能、植物に詳しい謎のイケメン。
そんなイツキといきなり同居生活を始めてしまうクレイジーな展開で物語はスタートします。
個人的に一番好きなシーンは、同居生活をするにあたってお金や家事のルールを取り決める場面。
ぶっとんだ展開なのに妙にリアリティがあって、2人の会話が気持ちよかったです。
休日に野草を取りに行ったり、2人で料理したりして仲を深めていく過程はほのぼのとして、こんな生活をしてみたいなと思わせます。
気持ちがあったかくなる作品です。
第3位 『図書館戦争』シリーズ
権力による検閲がメディア良化法によって合法化された社会で、言論の自由を守るために戦う図書館を舞台にした物語。
図書を守る図書隊のなかで教官にあたる堂上と部下の郁の関係を描きます。
ちょっとSFチックで最初は設定に入り込めなかったのですが、30ページを過ぎたころからぐいぐいと引き込んできました。
このシリーズは別冊も含めると6冊ありますが、読み始めてから全く止まらず10日ほどで読破してしまいました。
見どころは、教官と部下の2人の隠された過去が明らかになっていき、表面上はいがみあう2人が信頼しあい、思いを寄せ合うところです。
本や本屋さん、図書館を大切にしている有川さんならではの発想だなという設定で、本好きな人ほど図書隊の人たちの思いに共感できるのではないでしょうか。
しかし、図書隊=善、良化隊=悪という単純な構図ではなく、それぞれの思想の対立が描かれており、複雑な思いを持ちながら読むことになりました。
設定にさえ慣れてしまえば、ベタ甘有川ワールド全開で、複数の個性的な恋愛が進み、1冊で何組もの関係を楽しめます。
6冊目を読み終わるころには、登場人物たちと別れるのが寂しくなったくらい、登場人物との距離感が縮まる作品でした。
第4位 『阪急電車』
実在する阪急電車今津線の車内とその沿線で巻き起こる人間模様を描いた、ほっとする読後感が得られる作品。
僕はこの本を読んだ学生当時、関東に住んでいたにも関わらず、阪急電車今津線に乗るためだけに関西に旅行したくらいこの本が好きです。
この作品の面白いところは、今津線の駅ごとに主役となる人が変わり、何人もの人生を追う展開になっていることです。
複層構造になっていて、登場人物同士の交わりがありそれぞれの人生が交錯することで、話が進んでいきます。
駅ごとに1話のような形になっていて、短編集のようでサクサク読み進められます。
僕はこの本を読んで、まさに「人生の機微」を感じていました。
何気ないいつもの電車の風景の中にも、さまざまな環境や想いを抱えている人が居て、それぞれの人生を生きているのだと思います。
ふと電車の中で回りを見渡すと、そんな様々な想いや人生を感じて、胸がいっぱいになったのを覚えています。
個人的には、図書館で出会った2人が心を寄せ合う話が一番好きです。
有川さん版「耳をすませば」みたいで、本好きにはたまらないシチュエーションですね。
第5位 『ラブコメ今昔』
今回唯一の短編集。
自衛隊×ラブコメという新しいジャンルを切り開かれた有川浩さんのライトな物語集。
有川浩作品のエッセンスを凝縮したような話ばかりで、有川ワールドに最初に触れる方に超オススメします。
恋愛要素だけではなくて自衛隊の仕事に対する思いにも触れられて、お仕事小説としても面白かったです。
なかなか小説では触れられることのない自衛隊隊員の私生活を垣間見ることができ、自衛隊に対する距離がぐっと縮まる読書になると思います。
複数の短編につながりがあり、新旧の自衛隊の恋愛観の違いが明らかになります。
自衛隊員が家庭を持つ覚悟とはどういうことなのか、女性自衛官が増えてきた今こそ問われる問題ですが、有川さんが真摯に向き合われた結果が形になっていると感じました。
もちろんベタ甘路線は変わらず、オタク自衛官と関西ど真ん中の女性の恋には出会いからキュンとしました。
女性の弟の理解が早くて頭よすぎなんじゃないかと思いますが、こういう情報に信頼性があって頼りになる脇役が出てくるところも有川作品の特徴の一つですね。
有川作品が安心してみていられるのは、ここが一つの要因なのかと思います。
以上、ベタ甘作家 有川浩さんのおすすめ作品5選でした。
どれをとっても面白いので、気になったものから読んでみてください。
ちなみにこの記事ではkindle版は紹介していません。
有川浩さんは本屋さんをとても大事にされていて、信念として電子書籍版を出されていないからです。
僕はkindle派なのでちょっとだけ残念ですが、そんな有川さんの姿勢を尊敬しています。
この記事で紹介できなかった作品についても、いつかご紹介したいと思います。
お楽しみに!
コメント
コメント一覧 (2件)
私も1位から5位まで全て読んでますが、
ストーリーセラーが不動の1位です(^^)
何度読んでも泣けます。
藍さん、コメントありがとうございます!
僕も初めて読んでから、ずっと1位はストーリーセラーです。
こんな夫婦になれたらいいな、と思っちゃいますよね。