2021年8月の発売直後に購入した、こちらの本に記載されている100問を解いていきます。
今回のテーマは
炊飯器の市場規模
王道の「市場規模」推定問題ですね。
さっそく始めましょう!
まず、大まかに因数分解をすると、
世帯数×世帯当たり保有台数÷使用年数×単価
となります。
今回のポイントは、全体の保有台数を使用年数で割って、買い替えをモデルに組み込んでいるところです。
今の式に、ざっくりと値を置くと、
5,000万世帯×1台÷5年×3万円=3,000億円
となります。
次に気持ち悪い部分を更に因数分解をしていきます。
世帯数×世帯当たり保有台数÷使用年数×単価
この式の中で1番気持ち悪い部分は、使用年数の部分だと思いました。
理由は、世帯ごとの家族構成や生活スタイルによって、自炊の頻度(≒炊飯器の使用頻度)が異なり、炊飯器の耐用年数が異なると考えたからです。
また、自炊をする世帯ほど、炊飯器へのこだわりを持つ可能性が高くなり、買い替えの頻度も上がるのでは、と考えました。
そこで、使用年数を、結婚しているかと、子供がいるかの2軸で分けて分類してみることにしました。
それぞれ加重平均すると、
使用年数
= 5年×50% + 7年×20% + 10年×30%
= 2.5年 + 1.4年 + 3年
= 6.9年
≒ 7年
こちらで、使用年数をより細かく計算することができました。
世帯数×世帯当たり保有台数÷使用年数×単価
続いて、上の式のうち、使用年数以外の項目の値についても再検討します。
まず世帯数ですが、日本の人口を世帯当たり人数で割って計算します。
世帯数=人口÷世帯当たり人数
日本の人口は1億2,000万人です。
世帯あたり人数は、核家族世帯が中心と考え、世帯あたり平均3人とします。
大学生~若手社会人、または、高齢者で配偶者に先立たれた方、に一人暮らしが多いことや、生涯未婚率が20%程度であり、一人暮らし世帯が多い一方で、多人数世帯の数は多くは無さそうなことから、もう少し世帯当たり人数は低いかもしれません。
世帯数 =1億2,000万人÷3人 =4,000万世帯
続いて、世帯当たり保有台数ですが、最初に1と仮置きしましたが、実際には土鍋や圧力鍋などを使用して炊飯する世帯や、そもそも炊飯器を持っていない一人暮らし世帯がいると考えられます。
逆に2台以上を使用する世帯は多くないと考え、世帯当たり0.9台とします。
世帯当たり保有台数=0.9台
最後に、単価です。
高級なものは10万円を超え、一方で安価なものは1万円を割ってきますが、家電量販店などをのぞいた印象では、ボリュームゾーンは1万円~5万円だと思います。
そこで、平均単価は3万円とします。
単価=3万円
これで、色の構造と値が出揃いましたので、再度値を出して結論とします。
世帯数×世帯当たり保有台数÷使用年数×単価
4,000万世帯×0.9台÷7年×3万円≒1,500億円
これで、この問題は終了です。
最後に統計データなどで確かめられる部分についてのチェックをして終わりたいと思います。
世帯数は、統計データが出ていますので、感覚とのずれを直しておきます。
総務省が出している、『住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント(令和3年1月1日現在)』によりますと、
総人口1億2,665万4,244人(日本人住民+外国人住民)
世帯数 5,949万7,356世帯
1世帯平均構成人員 2.13人
となっています。
フェルミ推定に使用するうえでは、
人口=1億2,000万人 or 1億3,000万人
世帯数=6,000万世帯
世帯当たり人数=2人
辺りを覚えておけばよさそうです。
今回の私の推定では、世帯当たり人数を多く見積もった結果、世帯数を小さく計算してしまいました。
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