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29.共働き・子育て世帯のFIRE家計|3つの箱を「家族仕様」にアレンジする考え方

前回の記事では、

先取り投資BOX+3つの箱(固定費・変動費・自由枠)で考えるFIRE家計テンプレ

を整理した。

ここまで来ると、特に共働き・子育て世帯の人ほど、こう感じるはずだ。

いやそれはそうなんだけど、
子どもの教育費とか保育料とか行事とか……
現実どう落とし込めばいいの?

この記事では、
共働き・子育て世帯向けに3つの箱をどう「家族仕様」にアレンジするかを整理していく。


目次

結論:共働き・子育てFIRE家計のカギは「余白」と「合意」

共働き・子育て世帯のFIRE家計で大事なのは、次の3つだ。

  • 教育費・イベント費を「見える形」にしておくこと
  • 3つの箱に「家族用サブBOX」を足して運用すること
  • 夫婦で「これなら安心して続けられるね」というラインを決めておくこと

完璧な家計管理より、
「家族みんなが納得して、そこそこ続けられる形」を作る方が、FIREには効いてくる。


共働き・子育て世帯ならではの特徴

① 支出が「季節モード」で動く

  • 入園・入学のタイミングで大きく増える
  • 学童・給食費・習い事・合宿など、年度ごとに変動する
  • 長期休みのレジャー・帰省費が重なりやすい

月平均で見ると落ち着いて見えても、
実際のキャッシュフローはデコボコになりやすい。

② 時間がない=細かい家計管理はほぼ無理

共働き+保育園・送迎・寝かしつけ・家事…。
このコンボで「毎日家計簿」は、正直かなりきつい。

③ 夫婦の「お金への温度感」がズレやすい

  • 片方は「もっと投資したい」
  • 片方は「今の生活レベルを落としたくない」
  • 教育費にどこまでかけるか問題

このあたりで、モヤモヤが溜まりやすい。


3つの箱を「家族仕様」にアレンジする

前回紹介した、
先取り投資BOX・固定費BOX・変動費BOX・自由枠BOXをそのまま使いつつ、
共働き・子育て世帯向けに少しだけ中身をいじっていく。

① 固定費BOXに「教育費サブBOX」を作る

固定費BOXの中でも、

  • 保育料・幼稚園料
  • 学童費
  • 習い事の月謝
  • 定期的な学校関係の支出(給食費など)

これらは「教育費サブBOX」として分けて意識しておくと、全体が見えやすい。

「住居・通信・保険」と「教育費」を一緒に見ていると、
どこに圧がかかっているのかが分かりにくくなるからだ。

② 変動費BOXは「日常」と「イベント」にざっくり分ける

変動費BOXの中身を、感覚的に

  • 日常モード(食費・日用品・日々の交通費など)
  • イベントモード(誕生日・季節のレジャー・帰省など)

に分けて考える。

イベントモードについては、

  • 毎月決まった額を「イベント用」として積み立てる
  • 使うのは、誕生日・旅行・帰省などのタイミングだけ

こうしておくと、
「今月、なぜかやたら赤字…」をかなり防ぎやすくなる。

③ 自由枠BOXは「大人」「子ども」「家族」でざっくり分ける

自由枠BOXをひとまとめにしてしまうと、
どこまで自分が使っていいのか、
子ども関連にどこまでかけていいのか、
境界があいまいになりやすい。

ざっくりでいいので、頭の中で

  • 大人の自由枠(個人の趣味・カフェ・一人時間など)
  • 子ども関連のプラスアルファ(本・追加の習い事・小さなごほうび)
  • 家族イベント枠(外食・レジャーなど)

くらいに分けておくと、
「これはどこから出すお金?」で迷いにくくなる。


ざっくりイメージ:共働き・子育て世帯のFIRE家計サンプル

数字はあくまでイメージだけれど、
例えば「手取り月40万円の共働き子育て世帯」なら、こんな構成もある。

  • 先取り貯蓄・投資BOX:8万円(20%)
  • 固定費BOX:15万円(住居・通信・保険+教育費サブBOXを含む)
  • 変動費BOX:10万円(食費・日用品・日常の交通費など)
  • 自由枠BOX:5万円(大人・子ども・家族イベント)
  • 予備費:2万円(急な出費・病院・園や学校の想定外の支出など)

もちろん家庭によって数字は変わる。
ただ、

先取り投資 → 固定費 → 変動費 → 自由枠 → 予備費

という「お金の流れる順番」を意識できているだけで、
FIREの現実味はかなり変わってくる。


夫婦で決めておきたい「3つのライン」

共働き・子育て世帯の場合、FIRE家計を回すうえで
夫婦で決めておきたい最低限ラインがある。

  • 「これだけは守りたい生活レベル」
    住居・教育・食のクオリティなど、
    「ここを削るならFIREより生活優先」というライン。
  • 「毎月これくらいは投資に回したい」という目安
    %でも金額でもOK。
    ボーナスの何割を投資に回すかも一緒に決めておくとラク。
  • 「家族イベント用の予算」の感覚
    年にどのくらい旅行やレジャーをしたいか。
    帰省費用をイベント積立に含めるか、別枠にするか。

これをざっくりでも共有しておくと、
「片方だけが不安になる」「片方だけが我慢している」状態を減らしやすい。


僕の感覚

共働き・子育て世帯にとってのFIREは、
「我慢のプロジェクト」ではなく、
「家族の余白と安心を増やすプロジェクト」。

だからこそ、数字だけではなく、
家族の時間・子どもの経験・夫婦の安心感をセットで設計するFIRE家計が、
いちばん現実的で、折れにくい形なんだと思う。


まとめ

  • 共働き・子育て世帯は「季節変動」「時間のなさ」「温度差」が特徴
  • 固定費BOXに「教育費サブBOX」を作ると全体が見えやすい
  • 変動費BOXは「日常」と「イベント」に分けて考える
  • 自由枠BOXは「大人・子ども・家族」でざっくり整理すると揉めにくい
  • 夫婦で「生活レベル」「投資額」「家族イベント」の3ラインを共有しておくと安心

次回は、「ボーナス・臨時収入・特別費をどう扱うか?」をテーマに、
FIRE家計における「不定期のお金」の設計について掘り下げていく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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