前回の記事では、
先取り投資BOX+3つの箱(固定費・変動費・自由枠)で考えるFIRE家計テンプレ
を整理した。
ここまで来ると、特に共働き・子育て世帯の人ほど、こう感じるはずだ。
いやそれはそうなんだけど、
子どもの教育費とか保育料とか行事とか……
現実どう落とし込めばいいの?
この記事では、
共働き・子育て世帯向けに3つの箱をどう「家族仕様」にアレンジするかを整理していく。
結論:共働き・子育てFIRE家計のカギは「余白」と「合意」
共働き・子育て世帯のFIRE家計で大事なのは、次の3つだ。
- 教育費・イベント費を「見える形」にしておくこと
- 3つの箱に「家族用サブBOX」を足して運用すること
- 夫婦で「これなら安心して続けられるね」というラインを決めておくこと
完璧な家計管理より、
「家族みんなが納得して、そこそこ続けられる形」を作る方が、FIREには効いてくる。
共働き・子育て世帯ならではの特徴
① 支出が「季節モード」で動く
- 入園・入学のタイミングで大きく増える
- 学童・給食費・習い事・合宿など、年度ごとに変動する
- 長期休みのレジャー・帰省費が重なりやすい
月平均で見ると落ち着いて見えても、
実際のキャッシュフローはデコボコになりやすい。
② 時間がない=細かい家計管理はほぼ無理
共働き+保育園・送迎・寝かしつけ・家事…。
このコンボで「毎日家計簿」は、正直かなりきつい。
③ 夫婦の「お金への温度感」がズレやすい
- 片方は「もっと投資したい」
- 片方は「今の生活レベルを落としたくない」
- 教育費にどこまでかけるか問題
このあたりで、モヤモヤが溜まりやすい。
3つの箱を「家族仕様」にアレンジする
前回紹介した、
先取り投資BOX・固定費BOX・変動費BOX・自由枠BOXをそのまま使いつつ、
共働き・子育て世帯向けに少しだけ中身をいじっていく。
① 固定費BOXに「教育費サブBOX」を作る
固定費BOXの中でも、
- 保育料・幼稚園料
- 学童費
- 習い事の月謝
- 定期的な学校関係の支出(給食費など)
これらは「教育費サブBOX」として分けて意識しておくと、全体が見えやすい。
「住居・通信・保険」と「教育費」を一緒に見ていると、
どこに圧がかかっているのかが分かりにくくなるからだ。
② 変動費BOXは「日常」と「イベント」にざっくり分ける
変動費BOXの中身を、感覚的に
- 日常モード(食費・日用品・日々の交通費など)
- イベントモード(誕生日・季節のレジャー・帰省など)
に分けて考える。
イベントモードについては、
- 毎月決まった額を「イベント用」として積み立てる
- 使うのは、誕生日・旅行・帰省などのタイミングだけ
こうしておくと、
「今月、なぜかやたら赤字…」をかなり防ぎやすくなる。
③ 自由枠BOXは「大人」「子ども」「家族」でざっくり分ける
自由枠BOXをひとまとめにしてしまうと、
どこまで自分が使っていいのか、
子ども関連にどこまでかけていいのか、
境界があいまいになりやすい。
ざっくりでいいので、頭の中で
- 大人の自由枠(個人の趣味・カフェ・一人時間など)
- 子ども関連のプラスアルファ(本・追加の習い事・小さなごほうび)
- 家族イベント枠(外食・レジャーなど)
くらいに分けておくと、
「これはどこから出すお金?」で迷いにくくなる。
ざっくりイメージ:共働き・子育て世帯のFIRE家計サンプル
数字はあくまでイメージだけれど、
例えば「手取り月40万円の共働き子育て世帯」なら、こんな構成もある。
- 先取り貯蓄・投資BOX:8万円(20%)
- 固定費BOX:15万円(住居・通信・保険+教育費サブBOXを含む)
- 変動費BOX:10万円(食費・日用品・日常の交通費など)
- 自由枠BOX:5万円(大人・子ども・家族イベント)
- 予備費:2万円(急な出費・病院・園や学校の想定外の支出など)
もちろん家庭によって数字は変わる。
ただ、
先取り投資 → 固定費 → 変動費 → 自由枠 → 予備費
という「お金の流れる順番」を意識できているだけで、
FIREの現実味はかなり変わってくる。
夫婦で決めておきたい「3つのライン」
共働き・子育て世帯の場合、FIRE家計を回すうえで
夫婦で決めておきたい最低限ラインがある。
-
「これだけは守りたい生活レベル」
住居・教育・食のクオリティなど、
「ここを削るならFIREより生活優先」というライン。 -
「毎月これくらいは投資に回したい」という目安
%でも金額でもOK。
ボーナスの何割を投資に回すかも一緒に決めておくとラク。 -
「家族イベント用の予算」の感覚
年にどのくらい旅行やレジャーをしたいか。
帰省費用をイベント積立に含めるか、別枠にするか。
これをざっくりでも共有しておくと、
「片方だけが不安になる」「片方だけが我慢している」状態を減らしやすい。
僕の感覚
共働き・子育て世帯にとってのFIREは、
「我慢のプロジェクト」ではなく、
「家族の余白と安心を増やすプロジェクト」。
だからこそ、数字だけではなく、
家族の時間・子どもの経験・夫婦の安心感をセットで設計するFIRE家計が、
いちばん現実的で、折れにくい形なんだと思う。
まとめ
- 共働き・子育て世帯は「季節変動」「時間のなさ」「温度差」が特徴
- 固定費BOXに「教育費サブBOX」を作ると全体が見えやすい
- 変動費BOXは「日常」と「イベント」に分けて考える
- 自由枠BOXは「大人・子ども・家族」でざっくり整理すると揉めにくい
- 夫婦で「生活レベル」「投資額」「家族イベント」の3ラインを共有しておくと安心
次回は、「ボーナス・臨時収入・特別費をどう扱うか?」をテーマに、
FIRE家計における「不定期のお金」の設計について掘り下げていく予定。
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