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30.ボーナス・臨時収入・特別費をどう扱う?──FIRE家計の「不定期のお金」設計術

前回の記事では、

先取り投資BOX+3つの箱(固定費・変動費・自由枠)を
共働き・子育て世帯仕様にアレンジする方法

を整理した。

ここまでくると、多くの人が次に気になるのは、たぶんここだと思う。

毎月の家計はなんとなくイメージできたけど、
ボーナスとか臨時収入って、どう扱うのが正解?

この記事では、
FIRE家計における「不定期のお金」の扱い方を整理していく。


目次

結論:「不定期のお金」にも“テンプレ”を作っておく

ボーナス・臨時収入・特別費は、
「その場で考える」ほど消えやすい。

FIRE家計では、次の3つがポイントになる。

  • 不定期のお金の“役割”を決めておく
  • あらかじめ「何割をどこに回すか」のテンプレを持っておく
  • 特別費は“何となく”ではなく、年単位で見える化しておく

これだけで、将来の資産形成も日々の満足度も、かなり変わってくる。


なぜ不定期のお金はすぐ溶けるのか?

  • 心理的に「ごほうびモード」になりやすい
  • 支出が一時的に膨らんでも「まあボーナス入ったし」で流しやすい
  • もともと“用途を決めていないお金”だから

その結果、

ボーナスが入る → なんとなく外食・家電・旅行 → 気づいたら残っていない

という流れになりやすい。
FIRE目線で見ると、“未来のエンジン候補”が消えている状態でもある。


ステップ①:まず「特別費リスト」をつくる

不定期のお金の設計の前に、まずは出ていく側(特別費)を見える化する。

代表的な特別費は、例えばこんなもの。

  • 車検・自動車税・タイヤ交換などの車関連
  • 固定資産税
  • 保険の年払い
  • 帰省費
  • 大型家電の買い替え
  • 学校・園の年度始め用品
  • 子どもの行事・習い事のイベント費
  • 冠婚葬祭

これらをざっくりでいいので、

  • 年間いくらくらいかかりそうか
  • どの季節に集中しそうか

を書き出しておく。

そうすると、
「ボーナスで全部まかなう」のか、
「毎月積み立てて、ボーナスはプラスαにするのか」が決めやすくなる。


ステップ②:ボーナスの“配分テンプレ”を決める

次に、ボーナス(賞与)が入った時の
「配分テンプレ」を決めてしまう。

例として、手取り100とした場合のパターンを3つ挙げてみる。

パターンA:FIRE寄りガチ目

  • 将来の投資・貯蓄:50
  • 特別費積立:30
  • 家族のごほうび・旅行:15
  • 完全フリー(何に使ってもOK):5

パターンB:バランス型

  • 将来の投資・貯蓄:40
  • 特別費積立:30
  • 家族のごほうび・旅行:20
  • 完全フリー:10

パターンC:今の生活重視

  • 将来の投資・貯蓄:30
  • 特別費積立:30
  • 家族のごほうび・旅行:30
  • 完全フリー:10

どの比率が正解、という話ではなく、
「うちの家族なら、このパターンで行こうか」と
あらかじめ決めておけているかどうかが重要だ。


ステップ③:臨時収入用の“自動ルール”を決めておく

ボーナスほど大きくないけれど、地味に効いてくるのが「臨時収入」。

  • 残業代がいつもより多かった
  • フリマアプリでまとまった売上が入った
  • お祝い金をもらった
  • ポイント還元を現金化できた

こうしたお金は、そのまま生活費に溶けていきやすい。
ここには簡単なルールを置いておくと楽になる。

例えば、

  • 臨時収入が出たら「半分はFIRE用・半分は自由」にする
  • 1万円を超える臨時収入は、70%を投資・30%はごほうび
  • フリマ売上は全額「特別費積立」に入れる

など、
“考えなくても振り分けられる”ラインを決めておくと、
将来の資産形成ペースが静かに変わっていく。


FIRE家計ならではのポイント

① 月の生活は「月収」で完結させる

FIRE目線では、

ボーナスで日常生活を黒字化させる

のではなく、

「月収だけでほぼ回る生活」をベースにして、
ボーナスは将来+特別費+ごほうびに使う

という発想の方が、長期的に見てかなり安定する。

② ボーナスを「不安の穴埋め」ではなく「自由度アップ」に使う

赤字家計の穴埋めや、
カードのボーナス払いの連発にボーナスが消えていると、
FIREのエンジンにならない。

逆に、

  • 生活防衛資金の補強
  • インデックス投資の一括投入
  • 教育費積立
  • 家族旅行

などに意識的に配分していくと、
「お金の不安」ではなく、
「人生の選択肢」を増やすためのボーナスに変わっていく。


よくある“もったいない使い方”

  • 特別費を「毎年の想定外」として扱い続ける
  • ボーナス前提のローン・ボーナス払いを増やし続ける
  • 「今回はがんばったし…」と用途を決めずに全部消費する

どれも一度は通る道だけれど、
1〜2回やって「あ、こうなるのか」と実感したら、
ルールを決めるきっかけにしてしまうのがおすすめだ。


僕の感覚

不定期のお金の扱い方には、
その人(その家族)の「お金観」が全部出る。

すべてを未来のために貯めこむのも違うし、
すべてを今の楽しみで使い切るのも、やっぱり違う。

FIRE家計にとって理想なのは、

「未来の自由」と「今の満足感」を、
どちらも少しずつ増やしていく使い方。


まとめ

  • 不定期のお金は「その場で考える」ほど溶けやすい
  • まずは特別費リストをつくって、出ていく側を見える化する
  • ボーナスには「配分テンプレ」を決めておくと迷わない
  • 臨時収入には「○%はFIRE用・○%は自由」などの簡単ルールを作る
  • 月の生活は月収でほぼ完結させ、ボーナスは自由度アップに使う

次回は、「1年単位でFIRE家計を眺める」ことをテーマに、
年間スケジュール・年間キャッシュフローのイメージを使って、
「1年でどれくらいFIREに近づいているか」を確認する回にしていく予定。

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30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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