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31.1年単位で「FIRE家計」を振り返る|年間キャッシュフローと進捗チェックのシンプルなやり方

前回の記事では、

ボーナス・臨時収入・特別費といった
「不定期のお金」の設計方法

を整理した。

毎月の家計の箱わけや、ボーナスの配分ルールまで整ってくると、
次に気になってくるのは、きっとこの問いだと思う。

結局この1年で、どれくらいFIREに近づけたんだろう?

この記事では、
年間キャッシュフローの作り方と、FIRE進捗のチェック方法を整理していく。


目次

結論:「1年でどれだけ前に進めたか」を数字で見える化する

月ごとの細かい出費を完璧に把握することがゴールではない。
大事なのは、

「この1年で、FIREにどれくらい近づいたか?」を
シンプルな数字で確認できる状態。

そのために、最低限この3つが分かれば十分だ。

  • 年間の手取り収入(いくら入ってきたか)
  • 年間の生活コスト(いくら出ていったか)
  • 年間のFIRE投資額・貯蓄額(いくら“残せたか”)

この3つが分かれば、貯蓄率やFIREへの前進度合いが自然と見えてくる。


なぜ「1年単位」で見ると楽になるのか

FIREを本気で考えると、つい月次の数字に振り回されがちだ。

  • 今月は飲み会が多くて支出が増えた
  • 帰省で交通費がドンと出た
  • 家電が壊れて一気にマイナス

月単位で見ると“ノイズ”が大きくて、
「今月ダメだったな…」という感情に引っ張られやすい。

でも、1年単位でならすと、

  • 臨時支出も「年単位で見れば許容範囲」かどうか
  • 投資・貯蓄額はトータルでは増やせたのか
  • 家計全体の方向性は合っているのか

が、とても見えやすくなる。

月次は「日常運転」。
年次は「進捗チェック」。


年間FIRE家計で見るべき「3つの数字」

① 年間の手取り収入

ざっくりでOK。

  • 給与(手取り)×12ヶ月
  • ボーナス(手取り)
  • 副業収入・その他

などを足し合わせて、「今年、手取りでいくら入ってきたか」をひとつの数字にしておく。

② 年間の生活コスト(特別費込み)

こちらも完璧でなくていいので、

  • 住宅費(家賃・ローンなど)
  • 光熱費・通信費
  • 食費・日用品
  • 教育費・保育料
  • 趣味・交際費
  • 特別費(車検・税金・家電など)

をざっくり年合計して、
「今年、生活にいくら使ったか(特別費込み)」を出しておく。

家計簿アプリを使っていれば、「今年の支出合計」を見るだけでもOKだ。

③ 年間のFIRE投資額・貯蓄額

  • 積立投資の合計
  • ボーナスからの一括投資
  • FIRE用の現金増加額

などを足して、
「FIREのために“回せた”お金は、今年いくらか」をひとつにまとめる。

ここまで分かれば、FIRE家計としての「今年のスコア」はほぼ見えたようなものだ。


簡単な年間キャッシュフローの作り方(ざっくり版)

エクセルでもノートでも、めちゃくちゃ簡単でいい。

ステップ1:収入の欄をつくる

  • 給与(手取り)
  • ボーナス(手取り)
  • 副業・その他

を縦に並べて、合計に「年間手取り収入」と書く。

ステップ2:支出の欄をつくる

  • 固定費(住宅・通信・保険など)
  • 変動費(食費・日用品・娯楽など)
  • 特別費(車検・税金・帰省など)

の3つくらいにザックリ分けて、それぞれ年額を入れる。

合計に「年間生活コスト」と書いておく。

ステップ3:FIRE投資・貯蓄の欄をつくる

  • 積立投資(年間)
  • ボーナスからの投資
  • FIRE用の現金増加額

を並べて、合計を「年間FIRE投資額」とする。

最後に、

  • 年間手取り収入 − 年間生活コスト
  • 年間FIRE投資額 ÷ 年間手取り収入(=貯蓄率)

あたりをざっくり眺めて、

「今年は手取りの◯%をFIREに回せたんだな」

くらい分かれば、それで十分だ。


「FIRE進捗」をチェックする2つの簡易指標

① 年間FIRE投資額 ÷ 年間生活費

例えば、

  • 年間生活費:300万円
  • 年間FIRE投資額:150万円

だとすると、

「今年だけで“0.5年分の生活費”を積み上げられた」

ということになる。

1年で0.3年分、0.6年分…など、
「生活費何年分ペースで進んでいるか」は体感として分かりやすい。

② 現在のFIRE進捗率(FIREスコア)

例えば、

  • 目標FIRE資産:8,000万円
  • 現在のFIRE用資産:2,400万円

なら、

2,400 ÷ 8,000 = 30%

→ 「FIREスコア30%」といった感じで、
いま全体の何合目くらいかを見る目安になる。

この数字が、
去年は25% → 今年30%、
去年は32% → 今年36%、
のように少しずつでも前に進んでいればOK、くらいの感覚でいい。


家族・パートナーと振り返るときのコツ

せっかく年次で振り返るなら、数字の話だけで終わらせるのはもったいない。

貯蓄率が◯%だった、投資額が少し減った、という話をするときも、

「だからダメだった」ではなく、
「じゃあ来年は何を一つだけ変えてみようか?」

という視点で話すのがおすすめだ。

例えば、

  • 今年よかった支出(使ってよかったお金)
  • 今年しんどかった支出(もう少し抑えたいお金)
  • 来年は「ここだけ」変えてみたいポイント

を一緒に言葉にしてみるだけで、

「数字の家計管理」から、
「家族で人生設計を考える時間」に変わっていく。


よくある落とし穴

  • 完璧な年間集計をしようとして疲れてやめる
  • 投資成績(含み損益)だけを見て落ち込む
  • 「去年より進捗が悪い=失敗」と決めつける

年次の振り返りで大事なのは、

  • 相場の上下ではなく「自分たちの入出金」を見る
  • コントロールできる部分(収入・支出・投資額)に注目する
  • 悪かった年も「学びの年」として扱う

3歩進んで2歩下がる年があっても、
ちゃんと「1歩前に出ているならOK」くらいのゆるさでいい。


僕の感覚

FIREはマラソンだけど、
「1年単位の振り返り」は途中の給水所。

今年はペースを上げられた年、
守りを固めた年、
家族のイベント優先の年、
いろんな年があっていい。

毎年「少しだけ整えていく」くらいが、FIRE家計にはちょうどいいと感じている。


まとめ

  • FIRE家計では「1年でどれだけ前に進んだか」を見るのが大事
  • 年間で見るべき数字は「手取り収入・生活コスト・FIRE投資額」の3つ
  • 年間キャッシュフローはざっくりでOK(完璧さより継続)
  • 「生活費何年分ペース」と「FIRE進捗率」で前進度合いを眺める
  • 家族とは数字より「来年ひとつだけ変えるポイント」を話す

次回は、「FIRE家計の中で“教育費”をどう位置づけるか」をテーマに、
子どもの教育費・習い事・将来の学費を、FIREの資産設計の中でどう扱うか整理していく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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