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39.FIRE後の孤独感は避けられる?──仕事のつながりが消えた後の「居場所」の作り方

前回の記事では、

FIRE後に「やっておいてよかったこと」と、
「あとでやろう」と思うと消えていくもの

について整理した。

FIRE後の時間の使い方が少しイメージできてくると、
次にじわっと出てくるのが、この感覚だと思う。

ひとり時間は好きだけど、
ずっと一人なのも、たぶんしんどいよな…。

会社を離れると、人間関係は想像以上に減る。
平日日中、一人でいる時間が増える。
「自分の居場所ってどこなんだろう?」と、ふと不安になる。

今日は、

  • FIRE後に起こりやすい孤独感
  • コミュニティ・居場所のつくり方
  • 人付き合いが得意じゃない人でもできる「ゆるい戦略」

を整理していく。


目次

結論:「孤独ゼロ」より、“戻れる居場所”をいくつか持つ

「孤独ゼロ」を目指すより、
戻れる居場所をいくつか持っておく方が現実的で楽。

24時間だれかと一緒はしんどい。
完全に一人きりも、それはそれでしんどい。

一人時間を楽しめるベース + 少し話せる居場所がある状態。
このくらいが、いちばんバランスがいい。


FIRE後に起こりやすい孤独・空白

① 会社由来の人間関係が一気に減る

  • 同僚との雑談
  • ランチ・飲み会
  • 「お疲れさまです」の一言

当たり前だった“ゆるいつながり”が、
ある日を境にごっそり消える。

「自分から連絡しないと、誰とも話さない日」
が普通に発生する。

② 平日日中に一緒に過ごす人がいない

  • 家族は仕事や学校
  • 友人もフルタイム勤務が多い
  • 近所の人とも会わない

「時間はあるのに、一緒に使う人がいない」
という違和感がじわじわ効いてくる。

③ 家族だけに人間関係を依存しがち

  • 話し相手がパートナーだけになる
  • 子どもに期待を乗せすぎる
  • 家の中だけで感情が完結してしまう

これはこれで、家族にも自分にも負荷が大きい。


なぜ孤独感がしんどく感じるのか

孤独=「人がいない」ではなく、

自分を受け止めてくれる場所がない感覚

に近い。

  • 承認してくれる人がいない
  • 自分の話を“普通のこととして”聞いてくれる人がいない
  • 「ここにいていいんだな」と思える場が少ない

この状態が長く続くと、
不安や自己否定につながりやすい。


コミュニティ設計の基本方針

いきなり「友達を増やそう」「コミュニティにたくさん入ろう」と考えるとしんどいので、
もう少しゆるい前提にしておく。

✔ 数より「質」と「安心感」

  • LINEの友だち数
  • フォロワー数
  • コミュニティ参加数

よりも、

この人(この場)なら話しても大丈夫
と思える相手・場所を少数でも持つこと。

✔ 属性より「好き・興味」でつながる

たとえば、

  • 年齢が近い
  • 同じ業界
  • 同じようにFIREしている

よりも、

  • 同じ趣味
  • 興味の近さ
  • 話していて楽かどうか

を優先した方が、長続きしやすい。


具体的な「居場所」のタイプと作り方

① 趣味コミュニティ

  • スポーツ(ランニング・フットサル・ヨガなど)
  • アウトドア(キャンプ・登山)
  • ものづくり(DIY・ハンドメイド・料理)
  • 読書会・ボードゲーム会

「会っていきなり深い話」ではなく、
まずは“同じ遊びをする仲間”くらいの距離感がちょうどいい。

② 学びコミュニティ

  • 語学スクール・オンライン英会話
  • プログラミング・デザインなどの講座
  • 各種資格・検定の勉強会

FIRE後は時間の自由があるので、
“学びの場”がそのまま居場所になりやすい。

③ オンラインコミュニティ・発信経由のつながり

  • X(旧Twitter)でのゆるい交流
  • ブログ・noteの読者とのコメントのやりとり
  • Discord・オンラインサロンなど

顔を合わせるより、テキスト中心のつながりの方がラクな人も多い。

「会わないといけない関係」じゃなく、
文字でつながれる関係も十分に価値がある。

④ 地域の“ゆるい場”

  • コワーキングスペース
  • 図書館
  • 行きつけのカフェ
  • 地域のイベント・ボランティア

「毎回話すわけじゃないけど、顔を見たら挨拶する」
くらいの距離感の人が何人かいるだけでも、
生活の密度はかなり変わる。


「人付き合いが得意じゃない」人向けのゆるい戦略

FIREを目指す人は、インドア寄り・ひとり時間が好き・大勢の場が苦手、
というタイプも多いと思う。

そんな人向けに、ハードルを少し下げた戦略を置いておく。

① 1対1から始める

いきなり大人数イベントではなく、

  • 昔の友人1人
  • オンラインで仲良くなった人1人

など、「1対1のご飯・お茶」から始める。

② 「参加するだけでOKの場」を選ぶ

  • 強制的な交流がない
  • 出入り自由
  • 話さなくても問題ない

こういう場所を選んでおくと、
気分が乗らない日でも行きやすい。

③ 深く付き合う人を増やそうとしない

「親友を増やさなきゃ」と考えるとしんどい。

深めに話せる人:ごく少数。
あいさつ+ちょっと話す人:もう少し多め。
顔見知りレベル:さらに少し。

くらいの“層”をイメージしておくと、気が楽になる。


孤独と一人時間のバランス

孤独=悪、ではない。

  • 一人で考える時間
  • 誰にもジャマされない時間
  • ただボーっとできる時間

これはこれで、大事な「資産」。

「疲れたら戻れる静かな一人時間」と、
「少し話せる・笑える場所」の両方を持っておくこと。

どちらか一方に寄りすぎると、
どこかでバランスを崩しやすい。


僕の感覚

FIREの人間関係は、
「量」より「安心して呼吸できる場所」があるかどうか。

なんでも話せる人が1人いれば十分。
一緒に笑える場が1つあれば、けっこう幸せ。
あとは、自分が落ち着ける一人時間があればいい。

「友達100人」より、
「自分のペースで付き合える人が少数」。
このくらいが、FIREと相性がいいんじゃないかなと感じている。


まとめ

  • FIRE後は、会社由来の人間関係が一気に減り、孤独感が出やすい
  • 孤独=「自分を受け止めてくれる場所がない感覚」に近い
  • 数より“安心していられる居場所”を少数持つことが大事
  • 趣味・学び・オンライン・地域の「ゆるいつながり」が居場所になりやすい
  • 人付き合いが苦手な人は、1対1・参加だけOKの場・層構造で考えると楽
  • 一人時間も資産。「静かな時間」と「つながれる場所」の両方を持つのがちょうどいい

次回は、「FIRE後の家族時間と自分時間のバランス」をテーマに、
パートナーや子どもとの時間と、自分の趣味・学び・仕事との折り合いのつけ方を整理する予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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