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51.FIRE計画は“一度作ったら終わり”じゃない|年1回の「FIRE定期点検」のやり方

前回の記事では、

会社を辞めなくても「FIRE寄りの働き方」に寄せていく。
完全FIREだけが正解ではなく、“FIRE度を上げる”だけでも人生はかなり変わる。

という話をした。

ここまで来ると、FIREは「一度計画を立てたら、あとは淡々と積み立てるだけ」というイメージになりがちだ。
でも実際は、収入も家族も価値観も世の中も、ゆっくり変わっていく。

この記事では、FIRE計画を「作って終わり」ではなく、
年1回アップデートしていくための“FIRE定期点検のやり方”を整理する。


目次

結論:FIRE計画は“毎年アップデートする設計図”

FIRE計画は「守るべき聖書」ではなく、
毎年アップデートしていく設計図。

年1回(+大きな変化があったタイミング)で、
数字・暮らし・働き方・家族・メンタルを軽く棚卸しして、
必要なら“小さく修正”していく。


FIRE計画を見直すタイミング

① 年1回の“定期点検”

  • 年末年始
  • 誕生日
  • 決算月・ボーナス時期

どこか1つ、「振り返りしやすい時期」を決めておく。

② イレギュラー点検(イベントがあったとき)

  • 転職・昇進・減給など収入が大きく変わった
  • 結婚・出産・介護など家族構成が変わった
  • 住宅購入・引越し・進学など固定費が増減した
  • どう考えてもメンタルが限界、と感じたとき

「しんどい」と感じたタイミングも、立派な“見直しサイン”。


FIRE定期点検で見るべき5つの項目

① 数字:資産と生活費のバランス

  • 現在の総資産
  • 年間の実際の生活費
  • 目標としているFIRE必要資産との距離

「現状を直視すること」がいちばん大事。

② 暮らし:生活満足度と消耗度

  • 今の生活、10点満点で何点?
  • この1年で一番しんどかったことは?
  • この1年で一番うれしかったことは?

削りすぎている部分と、意外と余裕がある部分が見えてくる。

③ 働き方:FIRE度は上がっているか?

  • 残業時間・在宅日数・責任の重さはどう変わったか?
  • 去年よりFIRE寄りになった実感はあるか?

資産だけでなく「働き方」もFIRE寄りに寄せられているかを見る。

④ 家族:価値観と温度感の変化

  • 家族のお金・住まい・教育・介護の話題は変化していないか?
  • FIREの話をしたときの反応・温度感はどうか?

FIREは一人で突っ走るより、「家族の変化」を拾いにいく方が安定する。

⑤ メンタル:このペースをあと5年続けられるか?

「今の働き方・生活を、あと5年続けられる?」
→ YES / NO / 正直ツラい

ここが「正直ツラい」なら、目標やペースの見直しが必要なサイン。


実際にどう修正すればいいか?

① 目標金額・時期を微調整する

  • フルFIREだけでなく、セミFIREやFIRE寄り働き方も選択肢に入れる
  • 「45歳まで」から「50歳まで」など、少しだけ余白を増やす

② 積立額・投資比率を調整する

  • 積立がキツいなら、少し下げてでも「続けられる額」にする
  • 株式比率が高すぎてしんどいなら、債券・現金を少し増やす

③ 働き方の小さな変更を1つだけ決める

  • 「残業を月◯時間以内にする」
  • 「週1日はノー残業+自己投資デーにする」
  • 「在宅勤務を週◯日は確保するよう交渉する」

④ 家族との会話を“年1アップデート”する

  • 今年の家計・資産・これからの方針をざっくり共有
  • 「どういう暮らしができたらうれしい?」を聞いてみる

ゴールは説得ではなく、「今どのあたりにいるか」を一緒に眺めること。


「やめる勇気」と「続ける勇気」

FIRE定期点検をしていると、

  • やめた方がいいこと
  • 続けた方がいいこと

が見えてくる。

やめてもいいこと

  • 自分をすり減らすほどの残業
  • 毎日「限界まで削る」節約
  • 理解されない相手にFIREを語り続けること

続けた方がいいこと

  • 自動積立・自動振替
  • 毎月のざっくり家計チェック
  • 年1回のFIRE定期点検

FIREは「気合いを入れる日」より、
「淡々と続ける仕組み」の方がよほど効く。


僕の感覚

FIRE計画の“良し悪し”は、
内容そのものより「どれだけ柔軟にアップデートできるか」で決まる。

いい計画を作ろうとしすぎて疲れるより、
7割の計画を作って、毎年ちょっとずつ直していく。
このくらいの温度感が、一番ちょうどいいと思っている。


まとめ

  • FIRE計画は「一度作ったら終わり」ではなく、毎年アップデートしていく設計図
  • 年1回+大きな変化のあったタイミングで“FIRE定期点検”をする
  • 数字・暮らし・働き方・家族・メンタルの5項目をチェックする
  • 目標金額・時期・積立額・投資比率・働き方を、小さく微調整していけばいい
  • 「やめる勇気」と「続ける勇気」を両方持てる人が、長期戦に強い
  • 完璧な計画より、「直しながら進める前提」で考えた方が心が軽い

次回は、「FIRE情報に振り回されない“情報ダイエット”のコツ」をテーマに、
SNS・YouTube・ブログとの距離感や、他人の実績を見たときに心を守る方法を整理する予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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