前回の記事では、
退職ラインの決め方・会社への伝え方・ブリッジ戦略
について整理した。
そこまで来ると次に出てくるのは、こんな疑問だと思う。
「で、FIREした後って、何を学んで、どうキャリアを育てていけばいいんだろう?」
この記事では、
FIRE後の“学び直し”と第二のキャリアの育て方をテーマに、
- なぜFIRE後に学び直しが効くのか
- 何を学ぶかの決め方
- 学びをセカンドキャリア候補に変えるステップ
を整理していく。
結論:FIRE後こそ「自分で選ぶ学び直し」が効く
FIRE後は「もう勉強しなくていい」ではない。
自分で選ぶ学び直しがあると、心の安定度がかなり変わる。
ポイントは3つ。
- 空白感・役割喪失を“学び”でやさしく埋める
- お金になる学びと、ならない学びを分けて考える
- 学びをそのまま第二のキャリア候補に育てていく
① なぜFIRE後に“学び直し”が効くのか
✔ 役割の空白をやさしく埋めてくれる
会社員時代は、職種や役職、プロジェクトそのものが「自分の役割」になりがちだ。
FIRE後はそれが一気に消える。
ここでいきなり「何もしない自分」になると、空白感がかなり大きい。
学び直しは、新しい役割のタネを作ってくれる。
✔ 好奇心と“脳の健康”のため
新しい知識・ツール・考え方に触れることは、単純に楽しい。
そして、老後の脳の健康にも効くし、「まだ成長できる自分」という感覚もくれる。
✔ 「もしまた働きたくなったとき」の保険
FIRE後に「もう少し収入が欲しい」「社会との接点が欲しい」と感じることは普通にある。
そのとき、学びの蓄積があるかどうかで、選べるカードの枚数が変わる。
② 何を学ぶかの考え方
✔ 3つのカテゴリーで考える
- 生活直結スキル(お金・健康・家事・育児など)
- 仕事につながるスキル(前職の延長・まったく別分野・デジタル系など)
- 完全に趣味の学び(歴史・哲学・写真・音楽・料理・キャンプなど)
FIRE後は、この3つを混ぜてOKだ。
✔ 迷ったときのフィルター
次の3つでチェックしてみる。
- ① 少しでも「お金になる可能性」がありそうか
- ② 時間を忘れて没頭できそうか
- ③ 誰かの役に立ちそうか
このうち2つ以上に◯がつくものは、第二のキャリア候補になりやすい。
③ 学び直しの「時間の置き方」
✔ 1日の中で“学び時間”をどこに置くか
- 朝の1時間を「学びタイム」にする
- 午後のカフェタイムだけ勉強する
- 子どもが寝た後の30分だけインプットする
自分なりの「枠」を決めておくと、続きやすい。
✔ 小さく・長く続ける
1日30分〜1時間、週3〜5日ペースくらいで十分。
「1日3時間やるぞ!」より、1日30分を数年続ける方が圧倒的に強い。
✔ 学びすぎて“仕事モード”に戻らないようにする
スケジュールを勉強で埋め尽くしたり、
「成長しない自分はダメ」と追い込んでしまうと、会社員モードとあまり変わらない。
FIRE後の学びは、
「自分を責める道具」ではなく、「人生を広げる遊び」くらいの温度感がちょうどいい。
④ 学びを“第二のキャリア候補”に育てるステップ
ステップ1:アウトプットする
- ブログ・note・X(旧Twitter)で発信する
- 自分用のまとめノートを作る
- 家族や友人に話してみる
「学びっぱなし」だと、すぐに忘れる。
誰かに届ける前提でアウトプットすると、知識が急に立ち上がる。
ステップ2:小さく有料化してみる
- noteで有料記事を書いてみる
- 単発のオンライン相談をやってみる
- 小さな勉強会やワークショップを開いてみる
ここで大事なのは、いきなり「生活費の全てをこれで稼ごう」としないこと。
お小遣い+経験くらいの温度でOKだ。
ステップ3:ポートフォリオにまとめる
これまでのアウトプットを一覧化し、実績・サンプル・考え方を1ページにまとめる。
それだけで、何かをお願いしたい人から声をかけてもらいやすくなる。
ステップ4:“試して合うものだけ残す”
学びも仕事も、必ず「合うもの」「合わないもの」が出てくる。
せっかく始めたからといって、無理に続けなくていい。
FIRE後の特権は、
生活のために無理して続けなくていいこと。
好きなものだけ残していけばいい。
⑤ 学び直しでやりがちな落とし穴
- 資格を取ること自体が目的になり、資格コレクターになる
- 高額スクールや講座に次々と申し込み、お金の不安を増やしてしまう
- 「成果を出さない自分はダメ」と、FIRE前と同じくらい自分を追い込む
FIRE後の学びは、
人生の余白を豊かにしつつ、第二のキャリア候補を育てるための動き
くらいに置いておくと、バランスを崩しにくい。
僕の感覚
FIRE後の学び直しは、
“保険”であり、“遊び”であり、“第二のキャリアのタネまき”。
万が一また働きたくなっても戦える。
単純に人生が退屈になりにくい。
「まだ成長できる自分」という感覚が、心を支えてくれる。
完璧なスキルを身につける必要はない。
ただ、少しずつ新しいことを学び続けている人は、
FIRE後も、ゆるく・長く・しなやかに生きやすい。
まとめ
- FIRE後こそ「自分で選ぶ学び直し」が効く
- 生活スキル・仕事スキル・趣味の学びを混ぜてOK
- 1日30分〜1時間を長く続けるイメージが最強
- アウトプット → 小さく有料化 → ポートフォリオ化 → 合うものだけ残す
- 学び直しは、人生の余白を豊かにしつつ第二のキャリア候補を育てる動き
次回は、「FIRE後の1日の時間割と習慣設計」をテーマに、
運動・学び・家族時間・遊びのバランスをどう組み立てるかを整理していく予定。
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