前回の記事では、
FIRE後の学び直しと、第二のキャリアの育て方
について整理した。
そうなると、次に気になってくるのはここだと思う。
「で、FIREしたあとの1日って、どう組み立てればいいの?」
ダラダラしすぎるのも不安。
予定を詰め込みすぎても疲れる。
この記事では、FIRE後の1日の時間割と習慣設計について考えていく。
結論:FIRE後の1日は「リズム設計」がいちばん大事
FIRE後の1日は、「何をするか」より
「どんなリズムで生きるか」が大事。
ポイントは3つ。
- 1日を「3〜4つのブロック」に分ける
- 各ブロックに「核になる習慣」を1〜2個置く
- スケジュールは“7割埋める”くらいで止めておく
① FIRE後の1日にありがちな落とし穴
落とし穴1:とりあえず全部「自由」にしてしまう
- 目覚ましなし
- 予定なし
- やることも特に決めない
最初は天国みたいに感じるけれど、
数週間〜数ヶ月続くと、「自分でもよくわからない虚無感」が出てくることが多い。
落とし穴2:逆に「やりたいことリスト」で詰め込みすぎる
- 勉強も
- 運動も
- 家事も
- 家族サービスも
ぜんぶ「ちゃんとやろう」とすると、会社員時代より忙しくなって、
なぜかずっと疲れている状態になりがちだ。
落とし穴3:「何もしてない自分」を責め始める
- 今日は生産的じゃなかった
- もっと有意義に過ごすべきだった
- FIREしたのにこの程度か…と落ち込む
FIRE後の時間なのに、自分で自分を追い込むループに入ってしまう。
② 1日は「3〜4つのブロック」で考える
いきなり分単位・時間単位で管理しようとすると続かない。
まずは「ブロック」でざっくり分けるのがおすすめだ。
たとえば、こんな分け方。
- 朝(起床〜10時くらい)
- 昼(10時〜16時くらい)
- 夕方〜夜(16時〜就寝)
あるいは、
- 朝時間(自分のため)
- 日中時間(家族・社会との時間)
- 夜時間(リラックス)
この程度のざっくり感で十分だ。
各ブロックに「核になる習慣」を1〜2個置く
例としては、こんなイメージ。
朝ブロック
- 軽い運動
- 勉強・読書
昼ブロック
- 家事・買い物
- 学び直し・セミリタイアの仕事
夜ブロック
- 家族との時間
- 趣味・映画・ゲームなどのリラックス
1ブロックに「核習慣1〜2個」+残りは自由。
これくらいが、「何もしてない感」と「詰め込みすぎ」の中間になりやすい。
③ 習慣設計のポイント
ポイント1:毎日やるものは「3つまで」に絞る
たとえば、
- 30分の運動(散歩・筋トレ・ストレッチなど)
- 60分の学び時間(読書・オンライン講座など)
- 家族と一緒に過ごす“なんでもない時間”
毎日やることを増やしすぎると、
「できなかった自分」を責める材料が増えるだけになる。
ポイント2:「週◯回」でいい習慣も混ぜる
- 週2〜3回のジム
- 週1回の友人とのランチ
- 週1回の長めの散歩やハイキング
すべて「毎日」にしなくていい。
ゆるく続けられる頻度を優先した方が、結果的に長続きする。
ポイント3:1日は“7割埋める”くらいがちょうどいい
何も予定がない → ダラダラ & 不安。
びっしり予定 → 会社員と同じでしんどい。
「やることが決まっている時間」と、
「なんとなく流れに任せる時間」の両方があると、
FIRE後らしい“ゆとり”が出てくる。
④ 具体的な1日のイメージ(あくまで一例)
パターンA:子育て世代のFIRE / セミリタイア
- 06:30〜08:30 子どもの準備・朝ごはん・見送り
- 09:00〜10:00 散歩・軽い運動
- 10:00〜12:00 学び時間(資格・語学・第二のキャリアの勉強)
- 12:00〜14:00 昼ごはん・家事・買い物
- 14:00〜16:00 自由時間(趣味・昼寝・読書など)
- 16:00以降 子ども迎え・家族時間・風呂・寝かしつけ
- 夜 夫婦でゆっくり話す / 動画 / ゲーム / 読書
パターンB:子どもが手を離れつつある / 夫婦2人のFIRE
- 朝:30〜60分の運動+ゆっくり朝食
- 昼前〜午後:学び直し・セミリタイアの仕事・ボランティア
- 夕方:散歩・ジム・趣味時間
- 夜:お酒・映画・本・ゲームなど「純粋な娯楽」タイム
あくまで例。大事なのは「自分なりの型」を1つ持つことだ。
⑤ 「暇」と「詰め込み」のバランスを取るコツ
① カレンダーに「何もしない時間」も書いておく
たとえば、
「13〜15時:あえて何もしない・散歩・昼寝枠」
のように予定として書いてしまう。
「何も書かれていない時間」ではなく、
「何もしなくていい時間」として意識的に確保する。
② 週に1回は「振り返りタイム」を取る
- 今週、どんな時間の使い方をしたか
- 楽しかった時間はどこか
- しんどかった時間はどこか
5〜10分でいいのでざっくり振り返るだけで、翌週の時間割を微調整しやすくなる。
③ “なんとなく続いているもの”を優先的に残す
- 気づいたら毎日やっていたこと
- 気がつくとそこに戻っている習慣
これは相性が良いサインだ。
逆に、
手帳に書かないと全くやらないものや、
思い出すたびに重い気持ちになるものは、
一度手放してしまってもいい。
⑥ やりがちな失敗パターン
- 朝から晩までTODOリストで埋めてしまう
- SNSの「理想の1日」に合わせすぎて、自分の感覚を無視する
- 生産性の高い時間しか認めない
- ダラダラした日を「無駄な1日」と決めつける
FIRE後は、
「何もしない時間」も含めて、自分で選んだ1日という感覚を育てていく方が、
大きな意味での満足度は高い。
僕の感覚
FIRE後の1日設計は、「理想的な24時間」を作る話ではなく、
“だいたい心地いい24時間”を積み重ねる話。
完璧な時間割はなくていい。
毎日ちょっとだけ違ってもいい。
でも、「軸になる習慣」だけは持っておく。
このくらいのゆるさで設計しておくと、FIRE後の時間はかなり優しくなる。
まとめ
- FIRE後の1日は「何をするか」より「どんなリズムか」が大事
- 1日を3〜4つのブロックに分けて、各ブロックに核習慣1〜2個
- 毎日やる習慣は3つまで、残りは週◯回ペースでOK
- 1日は“7割埋める”くらいがちょうどいい
- 何もしない時間も、あえて予定としてカレンダーに入れてしまう
次回は、「FIRE後の“場所の自由”の使い方」をテーマに、
移住・二拠点・プチ移住など、暮らす場所の設計について整理していく予定。
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