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64.FIRE後も「学び続ける人」は強い──お金のためじゃない学び直しの設計

前回の記事では、

FIRE後の取り崩しの不安と、「減ってもいい前提」の資産設計

について整理した。

お金の不安にある程度メドが立ってくると、
次に出てくるのはこんな感覚だと思う。

じゃあ、お金の心配を少し離れたあと、
自分は何をして生きていこう?

そのときに、じわじわ効いてくるのが「学び直し」だ。
この記事では、FIRE後の学びとの付き合い方を整理していく。


目次

結論:FIRE後の学びは「年収アップ」ではなく、「選択肢」と「人生の厚み」を増やすもの

FIRE後こそ、「お金のため“だけ”じゃない学び」が効いてくる。
目的は、収入アップよりも
“選択肢”と“人生の厚み”を増やすこと。

年間テーマを絞った“ゆるい学び直し”を続けると、
暇の不安と将来の不安のどちらにも効いてくる。


① よくある2つの極端イメージ

FIRE後の学びについて、イメージはだいたい両極になりがちだ。

極端1:「もう勉強なんてしたくない」

  • 受験や仕事で散々頑張ってきた
  • テキストや資格はもう見たくない
  • 毎日ダラダラでもいいじゃん、という気持ち

極端2:「FIRE後こそ死ぬほど自己投資」

  • 毎日10時間インプット
  • 資格を取りまくる
  • リスキリング・プログラミング・MBA…

どちらも「あり」だけれど、多くの人にとって現実的なのは、
ゆるく・細く・でも一生続ける学びだと思っている。


② FIRE後に「学び直し」が効く3つの理由

1. 将来の選択肢リスクへの“保険”になる

FIRE後も、こんな可能性は普通にある。

  • もう少し収入がほしくなる
  • 生活スタイルを変えたくなる
  • もう一度どこかで働いてみたくなる

このとき、何年もまったく学ばずにいた人と、
ゆるくでも学び続けていた人では、
選べるカードの種類がまったく違う。

2. 「暇」と「空白」を、前向きな時間に変えてくれる

FIRE後に出てきやすいのが、
・何者でもない感じ
・ただ時間だけが流れていく感じ

ここに、語学・教養・好きな分野の勉強が入ってくると、
“空白”が“探求の時間”に変わる。

3. 心と身体の“老化スピード”をゆるめてくれる

  • 新しいことを覚える
  • 手と頭を同時に使う
  • 人と学びを共有する

こうした行動は、認知機能の維持やメンタルの安定、
日々の張り合いにじわじわ効いてくる。


③ FIRE後の学びを3カテゴリに分けて考える

「何を学べばいいかわからない」問題は、カテゴリ分けすると整理しやすい。

カテゴリ①:生活の質を上げる学び

  • 料理・栄養
  • 健康・運動・睡眠
  • 子育て・教育
  • 家庭のマネジメント

お金を増やす学びではなく、
暮らしを整える学び。
FIREとの相性はとても良い。

カテゴリ②:収入のタネになるかもしれない学び

  • ライティング・デザイン・プログラミング
  • 動画編集・発信スキル
  • 副業につながりやすい実務スキル

ポイントは、
「絶対稼がなきゃ」ではなく、
「収入になったらラッキー」くらいの温度感。

カテゴリ③:未来の安全マージンをつくる学び

  • デジタルリテラシー(AI・ITの基礎)
  • マネーリテラシー(税金・社会保険・制度)
  • 語学(情報アクセスの幅が広がる)

いざというときに情報を取りに行ける、
新しいツールを使いこなしやすくなる、
という意味で、“人生のクッション”になる学び。


④ 学び直しの「設計」の仕方

年間テーマを1〜2つ決める

たとえば、

  • 今年は「英語と健康」
  • 来年は「投資とライティング」

くらいのざっくり感でいい。
「全部やる」はだいたい続かない。
「今年はこれだけ」は、けっこう続く。

「資格ありき」にしない

資格はゴールとしては強いが、FIRE後は必須とは限らない。
「興味 → 本を読む → 少し試す」くらいの軽いサイクルも立派な学び。

平日のルーティンに「学びコマ」を1つだけ入れる

  • 平日の午前中に30〜60分の学びタイム
  • カフェに行くときはテキストを1冊だけ持っていく
  • 子どもが寝てから15分だけ音声コンテンツを聞く

「毎日10時間」ではなく、
「毎日ちょっと」でいい。

OUTPUTをどこかに必ず混ぜる

  • X(Twitter)やブログにメモを書く
  • 家族や友人に話してみる
  • 図にしてノートにまとめる

「使う前提のインプット」の方が、圧倒的に定着しやすい。


⑤ やりがちな落とし穴

❌ 勉強しない自分を責める

今日はできなかった、全然進んでいない気がする。
ここで、「せっかくFIREしたのに、何もしてない…」と
自己嫌悪ループに入るのはもったいない。

「何もしない日がある」も含めてFIRE。
トータルで少しずつ進んでいれば、それで十分。

❌ 学びを「過去のキャリア」に縛りつけすぎる

前職の延長線上の勉強しかしていない。
本当は別の分野に興味があるのに、“もったいない”感覚で
過去の領域だけを深掘りしてしまう。

関係ないことを学び始める自由も、FIREの醍醐味だ。

❌ 「元の会社に戻るためだけ」の学びになる

戻れるようにしておくのはOK。
でも、「戻るしかない」状態になると、FIREの意味が薄れてしまうこともある。


僕の感覚

FIRE後の学びは、
「年収を上げるための学び」から、
「人生の解像度を上げるための学び」に変わる。

世界の見え方が増える。
会話の幅が広がる。
自分が楽しめる時間が増える。

この3つがそろってくると、
学び続けること自体が、
けっこう大きな“FIRE後のご褒美”になる。


まとめ

  • FIRE後こそ、「お金のためだけじゃない学び」が効いてくる
  • 目的は「収入アップ」より「選択肢」と「人生の厚み」を増やすこと
  • 暮らし・タネ・安全マージンの3カテゴリで考えると整理しやすい
  • 年間テーマを1〜2つ決めて、平日に“学びコマ”を1つ入れるだけでOK
  • 資格ありきにせず、アウトプットを絡めると続きやすい
  • 学ばない自分を責めすぎない。トータルで少しずつ前に進めば十分

次回は、「FIRE後の人間関係とコミュニティ」をテーマに、
孤独にならないための距離感や、ちょうどいい居場所の作り方を整理する予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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