前回の記事では、
子どもの進学・親の介護・パートナーの転職などの「家族イベント」を、
例外ではなく前提として捉え、計画アップデートのタイミングにする
という話をした。
一方で、家族イベントとは逆方向の悩みもある。
「大きな問題はない。でも、なんだか毎日がぼんやりしてつまらない…」
という、FIRE後の“飽き・マンネリ・虚無感”だ。
結論:FIRE後の“飽き・マンネリ”は「次のステージへの合図」
飽きやマンネリは「間違ったFIREの証拠」ではなく、
今のリズムが一巡したサインとして使えばいい。
ポイントは次の3つ。
- 飽き=失敗ではなく、「今のペースは一度味わい切ったサイン」と見る
- 毎日を均一にしすぎず、リズム・季節感・プロジェクトの波をつくる
- 「楽しい予定」だけでなく、“少しだけ負荷のあること”を一滴混ぜる
なぜFIRE後に「飽き・マンネリ」が起きやすいのか?
理由① 「守り切る」フェーズに入るから
FIRE前は、収入アップ・貯金・投資・キャリアなど
「攻めている感」のあるタスクが多い。
FIRE後は、守り・維持・微調整が中心になり、
わかりやすい成長感が見えにくくなる。
理由② 「非日常」が日常になってしまうから
平日カフェや自由な時間も、続けば「それが普通」になる。
人はどんなご褒美にも慣れるので、幸福感としてのパンチが弱くなる。
理由③ 「やることリスト」が“消費型”で終わっているから
行きたい場所・やりたいことリストは大事だが、
「やって終わる遊び」だけだと、消化しきったあとに虚無感が出やすい。
「続いていく遊び・取り組み」に、少しずつ比重を移していく必要がある。
「飽き」を“コンパス”として使う発想
飽きはダメ出しではなく“通知”
飽きた = 失敗 ではなく、
「今のペース・組み合わせは、一度味わい切りました」という通知。
今の1週間の組み立て、過ごしているコミュニティ、
関わっているテーマのどこかを「一段階アップデートするタイミング」と捉える。
飽きには3種類あると考える
- 単純マンネリ型:毎日同じ時間割すぎて飽きた
- 刺激不足型:失敗リスクや締切などの緊張がなさすぎる
- 方向性ズレ型:本当は興味が薄いことを惰性で続けている
「この飽きはどのタイプか?」とラベルを貼るだけでも、対応策が見えやすくなる。
マンネリと付き合う“時間設計”の工夫
① 毎日ではなく「シーズン」で考える
1日単位で完璧な日を作ろうとせず、
3か月〜半年単位で「今期のテーマ」を決める。
- 春:健康・運動シーズン
- 夏:家族イベント・旅行シーズン
- 秋:学び直し・読書シーズン
- 冬:家や環境の整備・デジタル断捨離シーズン
「今はこのシーズンだから、これでOK」と自分に言えると、虚無感が薄まりやすい。
② “ルーティン”と“遊び枠”を両方入れる
ルーティンだけだと退屈、遊びだけだとだれる。
朝はほぼ固定ルーティン、昼は遊び枠や人との予定、
夜にゆるい振り返り…というように、役割を分けてみる。
③ 「少しだけ負荷のあること」を混ぜる
- 自分が主催するイベント
- 誰かに教える立場
- 締切のあるアウトプット(ブログ・本・作品など)
「やらなくても困らないこと」だけだと人は動きにくい。
少しだけ負荷のあるタスクを1〜2個混ぜると、日々にメリハリが出る。
④ 「やめる・休む」を気軽に選べるようにしておく
もう飽きているのに、「一度始めたから」と惰性で続けるとマンネリ化しやすい。
ボランティア・習い事・オンラインコミュニティ・副業など、
FIRE後の自分には合わなくなったものは、やめる・休む選択も持っておく。
メンタル面で意識しておきたいこと
FIRE=毎日が最高に楽しい、でなくていい
SNSの「キラキラFIRE像」に引っ張られすぎると、現実とのギャップに苦しみやすい。
「まあまあ普通の日が7〜8割、ちょっと楽しい日が1〜2割、しんどい日もたまにある」
くらいが普通だと考えておいた方が、メンタルは安定する。
幸せの基準が上がりすぎていないか点検する
刺激やドラマを求めすぎると、どんな生活も色あせて見えてしまう。
1年前の自分から今の生活を見たらどう映るか?
昔の「理想の1日」と比べてどのくらい近いか?
言葉にしてみると、実はかなり理想に近い場所にいると気づくことも多い。
僕の感覚
FIRE後の飽き・マンネリは、
「このフェーズはもう卒業していい」という
次のステージへの通知に近い。
最初の数年は「回復と自由のシーズン」、次の数年は「学び直しと挑戦のシーズン」、
さらにその先は「人の役に立つ・分かち合うシーズン」など、
FIRE後の人生そのものを何度か“着替えていく”前提で見る。
ずっと同じテンションで最高に楽しい日々を目指すより、
そのときの自分に合うペースと遊び方に、少しずつチューニングし直していく。
そんな柔らかい姿勢で付き合える人ほど、長くFIRE生活を楽しんでいる印象がある。
まとめ
- FIRE後の「飽き・マンネリ・虚無感」は失敗サインではない
- 今のリズムが一巡したサイン、次のステージへの通知と捉える
- 3〜6か月のシーズン単位でテーマを決めると、虚無感が薄まりやすい
- ルーティン・遊び枠・少しだけ負荷のあることをミックスする
- 飽きたものを惰性で続けず、やめる・休む選択肢も持つ
- 「まあまあ普通の日が続く」ことの価値も、意識的に確認する
次回は、「FIRE後の“自己肯定感の揺れ”と『役に立っていないかも』問題」をテーマに、
社会の役に立っていない気がするときのモヤモヤや、
会社員という肩書きがなくなった後の自己肯定感との付き合い方を整理する予定。
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