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78.FIRE後の“比較グセ”とSNS疲れ──他人のFIREと比べてしんどくなったときの戻り方

前回の記事では、

FIRE後の「自分はもう役に立っていないかも」という感覚は、
価値喪失ではなく“自己評価の土台の移行期”だという話

をした。

自己肯定感が揺れているときに、さらに追い打ちをかけてくるのが、
「比較グセ」と「SNS」だ。

同年代のFIRE勢のキラキラ投稿を見て落ち込む。
自分より若い人の資産額を見て、不安になる。
自分のFIREは失敗なんじゃないかと感じてしまう。

今日は、FIRE後の「比較グセ・SNS疲れ」との付き合い方を、
実務とメンタルの両面から整理していく。


目次

結論:比較グセは「物差しが宙ぶらりんになったサイン」

FIRE後の比較グセは、弱さではなく、
会社員時代の物差しから、まだ完全には降り切れていないサイン。
SNSを完全に断つより、「何を見るか・いつ見るか・どう受け取るか」を
設計し直した方がラクになる。


なぜFIRE後に「比較グセ・SNS疲れ」が強くなるのか?

① 時間が増える=「眺めてしまう時間」も増えるから

働いていた頃は、通勤中や休憩中に少し見る程度だったSNSが、
FIRE後は「いつでも開けるもの」になりやすい。

時間の自由度が増えると同時に、
「他人の生活を眺めて比べてしまう時間」も増えやすい、という落とし穴がある。

② 共通の土俵から降りたのに、心だけ残っているから

会社員同士には、年収・役職・忙しさなど、共通の物差しがある。
FIREすると物理的にはその土俵から降りるが、心の中では、

元同僚は今どうしているだろう?
自分は同年代の平均より上か下か?

と、見えないランキング表の上に自分を並べがちになる。

③ SNSは「ハイライト動画」だけが流れてくる仕様だから

SNSに流れてくるのは、うまくいった投資・キレイに切り取られた生活・
機嫌がいいときの家族写真など、「ハイライト動画」が中心だ。

それを相手の全体像として受け取ると、こちらの自己評価だけが削られていく。
FIRE後は自分の時間と感情に敏感になる分、このギャップが強く刺さりやすい。


比較グセとSNSと「どう付き合うか」の軸

軸① 「完全に見ない」か「設計して見る」かを決める

0か100かで悩むとしんどい。
完全にSNSをやめる選択もアリだが、情報収集や友人との連絡など、
うまく使えば便利な側面もある。

まず決めたいのは、

完全オフにするのか?
それとも「目的を決めて設計して使う」のか?

なんとなく中途半端に開き続けるのが、一番ダメージが大きい。

軸② 「比較しやすい情報」から距離を置く

比較グセを強くする投稿の例:

  • 資産額・運用成績・FIRE達成本の共有
  • 豪華な旅行・高級な食事・広い家
  • 「FIREしてから毎日こんな感じです」系のキラキラ報告

計画を見直すために少し触れるのは有用でも、
日常的に浴び続ける必要はない。

軸③ 「見る時間」と「見ない時間」を分ける

朝イチにSNSで他人の生活を見る、寝る前に資産額を比べる、
こうした習慣はメンタルに効きやすい。

見るとしても、

  • 1日のうちで「ここだけ」にする(例:昼に15分)
  • 週に◯回だけにする
  • FIRE関連アカウントは「調べ物をするときだけ」にする

といった形で、「時間と頻度」を先に決めておくとダメージが減る。


実務編:SNS・比較グセとの距離を作るテクニック

① フォローを「目的別」に整理する

フォロー中のアカウントを、ざっくり分けてみる。

  • FIRE・投資情報用
  • ニュース・時事用
  • 趣味・エンタメ用
  • 友人・知人用

その中で、

  • 見ると落ち込むだけのアカウント
  • 焦りだけを煽ってくるスタイルの情報
  • 自分の計画には関係の薄い投機的自慢

は、ミュートやフォロー外しの候補にしていい。
「その人が悪い」のではなく、「今の自分の心には強すぎる情報」くらいの感覚で距離を取る。

② SNSごとに“役割”を決める

例:

  • X(旧Twitter):情報収集専用。FIRE・投資はリストに分ける
  • Instagram:趣味・家族・旅行の写真専用
  • YouTube:学び用とエンタメ用の時間を分ける

「このアプリを開いたら、何をしにきたのか?」を決めておくと、
ただの“比較の鉱山”になりにくい。

③ 週1回だけ「SNSオフデー」を作る

いきなり長期間断つのではなく、まずは週に1日だけ、
FIRE系・投資系のSNSを見ない日を作る。

その日は、本・散歩・家族との時間など、アナログな時間に振り切ってみる。
「見なくても意外と平気」という感覚を、体験として持てると強い。

④ 比較スイッチが入ったときの“一旦止めワード”を決めておく

他人の投稿を見て、「やばい」「負けてる」と感じた瞬間に、
自分の中で唱える“止めワード”を決めておく。

例:

  • 「この人の人生はこの人のもの」
  • 「私は私レーンで進行中」
  • 「ハイライト動画と比べない」

これを心の中でつぶやいたら、アプリを閉じる/別の行動に移る、までをセットにしておく。


メンタル編:比較グセの「中身」を分解してみる

① 比較しているのは、本当に「自分と同じ条件の人」か?

独身か既婚か、子どもありか、住んでいる地域、収入レンジ、親からの支援の有無…。
条件がまったく違う人を、「同じスタートラインだったはず」として比べていないか?

条件が違えば、結果が違うのは当たり前。
そもそも土俵が違うことも多い。

② 比較しているのは「何」かを書き出してみる

モヤモヤしたら、紙やメモアプリに、
「資産額」「年齢」「生活水準」「働き方」「家族構成」「生活の充実度」など、
自分は今、何を比べてしんどくなっているのかを書き出してみる。

具体的な項目にすると、「全部負けている」感覚が、
「この項目だけ気になっている」に分解されることが多い。

③ 「比べる相手」を変える

他人のFIRE勢ではなく、

  • 昨年の自分
  • 3年前の自分
  • FIREを知らなかった頃の自分

と比べたらどうか? を意識的に考えてみる。

比較の軸を「他人 → 過去の自分」にずらすだけでも、
感情の向きがかなり変わる。


僕の感覚

FIRE後の比較グセは、
まだ会社員モードのランキング表を握りしめているサインに近い。

ランキング表を破り捨てる必要はない。
ただ、「これは現役時代のツールだったな」と気づいて、少し横に置いてみる。

そのうえで、自分が大事にしたい指標(時間の使い方・家族との関係・心の余裕など)と、
自分レーンでの「ちょっとした前進」に目を向けられるようになると、

他人のFIREは「比較相手」ではなく、
人生の選択肢カタログくらいの距離感に落ち着いてくる。


まとめ

  • FIRE後は、時間の自由度と一緒に「比較の時間」も増えやすい
  • SNSはハイライト動画だけが流れてくる仕様なので、そのまま比べるとしんどい
  • 完全オフか、目的を決めて設計して使うかを決める
  • フォロー整理・役割分け・見る時間決めで“情報環境”を整える
  • 比較グセが出たら、「何を・誰と・どの条件で比べているか」を分解する
  • 比較の軸を「他人 → 過去の自分」へずらすと、心がかなりラクになる

次回は、「FIRE後の“罪悪感”と『こんなに楽していいのか』問題」をテーマに、
働いていないことや、周りとのギャップから生まれるモヤモヤとの付き合い方を整理する予定。

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30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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