前回の記事では、
「こんなに楽していていいのか?」という罪悪感との付き合い方
罪悪感を“自分責め”ではなく「生き方のセンサー」に変える視点
について整理した。
罪悪感が少し落ち着き、FIRE生活にも慣れてくると、次に出てきやすいのがこの感覚だ。
この生活をずっと続けて、本当にいいのかな?
自分は成長しているんだろうか?
もっと別のことに挑戦すべきなんじゃないか?
今日は、この「このままでいいのか?」不安とどう付き合うかを、
長期戦向けの“ゆるい人生コンパス”という視点で整理していく。
結論:いきなり全部ひっくり返さなくていい
FIRE後の「このままでいいのか?」は、“もっと自分に合うバランスに調整したい”というサイン。
人生をゼロから作り直す必要はなく、
10年コンパス × 3年テーマ × 1年の小さな実験で少しずつ軌道修正していけば十分。
なぜFIRE後に「このままでいいのか?」が出てくるのか?
① 比較・キャリア観の“残り香”が効き続けるから
会社員時代は、昇進や評価、プロジェクトが「前に進んでいる感」を与えてくれていた。
FIRE後はそれが薄くなり、
進んでいるのか止まっているのか分からない
状態になりやすい。その違和感が「このままでいいのか?」を生む。
② “成長し続けなきゃ”の価値観が抜けきらないから
「常に成長」「アップデートし続ける」が正義とされやすい時代背景の中で、
ペースをゆるめると、
成長していない自分=良くないこと
という思い込みが顔を出し、モヤモヤにつながる。
③ 長期戦だからこそ、「この先10〜20年」がリアルに見えてくるから
FIREは数年で終わるイベントではなく、数十年続く生活。
子どもの成長、親の介護、自分の健康変化などを想像すると、
この方向で10年・20年続けて、本当に大丈夫?
と不安になるのは自然なことだ。
「このままでいいのか?」を“壊す理由”にしない
① 焦って、いきなり全部ひっくり返さなくていい
モヤモヤが強いと、フルタイム復帰や大移住など“極端な選択肢”ばかりが浮かびやすい。
でも、多くの場合、必要なのは「路線の全否定」ではなく、「少しの方向調整」だ。
② “行き先”ではなく“進み方”の問題かもしれない
モヤモヤの正体を分解してみると、
- テーマは好きだけど、やり方が合っていない
- 働く量はちょうどいいけど、人間関係がきつい
- 家族との暮らしは満足だが、「自分だけの時間」が足りない
など、“進み方”のズレが原因なことも多い。
FIREそのものを疑う前に、「バランス」の方を見直してみる価値がある。
長期戦のための「ゆるい人生コンパス」
① 10年コンパス:「ざっくり、どんな10年にしたいか?」
細かい目標よりも、
- どんな時間を増やしたいか?
- どんな状態だけは避けたいか?
くらいの解像度で十分。
例:
- 子どもが小さいうちは「家族時間最優先」の10年
- 親が元気なうちは「実家との時間を多めに取る」10年
- 体力があるうちは「移動・旅・挑戦を詰め込む」10年
やることリストではなく、「大事にしたい軸」を2〜3個だけ決めるイメージ。
② 3年テーマ:「この数年は、何を中心に回すか?」
10年は遠いので、「この3年で育てたいもの」を決める。
- 学び直し(資格・語学・専門スキル)
- 小さなビジネス・副業
- 健康習慣・体づくり
- 家族とのイベントや体験
「達成目標」ではなく、「ここに多めに時間を投資する」くらいの感覚でいい。
③ 1年の小さな実験:「とりあえず1年だけ、こう暮らしてみる」
永久決定にせず、
とりあえず1年、このバランスで暮らしてみる
と決めてみる。
- 働く日数を1年だけ増やす/減らす
- 新しい学びを1年だけ続けてみる
- いきなり移住せず「1年だけ二拠点っぽく試す」
取り返しのつく実験として設計すると、「このままでいいのか?」に押しつぶされにくくなる。
紙1枚で「このままでいいのか?」を整理するミニワーク
ステップ1:現状を5つの軸で採点してみる
軸の例:
- お金(安心度・不安度)
- 健康(体力・睡眠・メンタル)
- 関係性(家族・友人・コミュニティ)
- 貢献(誰かの役に立っている実感)
- 好奇心(ワクワク・新しいこと)
それぞれ10点満点でざっくり自己評価してみる。
「このままでいいのか?」は、このどれかが低くなっているサインかもしれない。
ステップ2:「1〜2ランク上げたい軸」を1〜2個だけ選ぶ
すべてを一気に改善しようとせず、今いちばんテコ入れしたい軸を絞る。
例えば「健康」と「好奇心」を優先する、など。
ステップ3:「1年でやる“超小さい調整”」を書き出す
選んだ軸について、
- 週1回の運動を足す
- 月1回は、行ったことのない場所に出かける
- 週に半日だけ“自分の学びタイム”を入れる
- 月1回、誰かに小さく役立つアウトプットをする
といった、スケジュールに落とせるサイズの調整を書き出す。
「このままでいいのか?」という問いに対して、「とりあえず、こう調整してみる」という回答を用意しておくイメージだ。
僕の感覚
FIRE後の「このままでいいのか?」は、“人生をサボっているサイン”ではなく、“もう少し自分に合うバランスを探したいサイン”に近い。
焦って元のフルタイム会社員モードに戻る必要も、
逆に「このまま動かないのが正義」と言い聞かせる必要もない。
10年コンパスで大きな方向を決めつつ、3年テーマと1年の小さな実験で、
少しずつ進み方をチューニングしていく。
そのくらいの“ゆるさ”で付き合った方が、FIREという長期戦とは相性がいいと感じている。
まとめ
- FIRE後の「このままでいいのか?」は自然なモヤモヤ
- 背景には、比較や成長至上主義、長期戦ゆえの不安がある
- 行き先を全否定するより、進み方のバランス調整を優先する
- 10年コンパス × 3年テーマ × 1年の小さな実験で十分
- お金・健康・関係性・貢献・好奇心などの軸で「どこを調整するか」を決める
- 「このままでいいのか?」は、“もっと心地よいバランスを探そう”というお知らせ
次回は、「FIRE後の“やりたいことリスト”問題」をテーマに、
やりたいことが多すぎて逆にしんどくなったときの考え直し方や、
「リスト消化」ではなく「テーマベース」で満足度を上げる方法を整理する予定。
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