前回の記事では、
FIRE後の「なんとなく不安」と、
不安をゼロではなく「扱えるサイズ」にする考え方
を整理した。
ただ、FIRE後に出てくるモヤモヤは「不安」だけではない。
時間はあるのに、なぜか落ち着かない。
休んでいいはずなのに、休むとソワソワする。
何もしていないと、自分がダメな人に思えてくる。
この記事では、この「自由なのに落ち着かない感覚」と、
どう付き合っていけばいいのかを整理していく。
結論:「心だけ会社員モード」が残っているだけ
FIRE後に「自由なのに落ち着かない」のは、
心のOSがまだ会社員モードのままだから。
それは欠陥ではなく、
長年しみついた癖を少しずつ緩めていくプロセス。
なぜ「自由なのに落ち着かない」のか?
① 長年の「成果主義モード」が抜けない
会社員生活では、
- 何かをしている
- 成果を出している
- 忙しく動いている
ことが、そのまま安心感につながりやすい。
その感覚のままFIREすると、
今日は何もしていない → 成果がない → 価値がない気がする
という連鎖が無意識に動く。
頭では「もう数字を追いすぎなくていい」と分かっていても、
心はまだ会社仕様のまま、という状態になりやすい。
② 「働いていない=サボっている」という思考の残り香
日本では、
- 働いている人 → えらい
- 忙しい人 → 必要とされている
- 何もしていない人 → なんとなく後ろめたい
という空気が強い。
その中で、平日の昼間にカフェや公園にいると、
自分だけ抜けてしまったような、小さな罪悪感が生まれやすい。
③ 「役に立っていない」感覚への不安
会社員の頃は、嫌でも仕事が降ってきて、
嫌でも誰かの役に立つ場面がある。
FIREすると、頼まれごとが減り、
「誰からも求められていない時間」が増える。
このままで、誰の役にも立っていないんじゃないか?
そんな静かな不安につながることもある。
「落ち着かない自分」を責めない
まず大事なのは、
自由なのに落ち着かない=FIRE失敗
ではない、ということ。
数十年「働くのが普通」という世界で生きてきたなら、
そう感じるのは自然な反応だ。
それは欠陥ではなく、
習慣として身についた「心のクセ」だと捉えていい。
「休めない心」との付き合い方
① 「休むこと」に、意識的に許可を出す
いきなり完全に力を抜くのは難しい。
だからこそ、
- この午前中は休んでいい
- この1時間は何もしない時間でいい
- この週末はノルマゼロで過ごしていい
と、自分に「言葉で許可」を出してみる。
なんとなくダラダラ → 罪悪感が出やすい。
意識して選んだ休み → 罪悪感が少し薄れやすい。
② 「何もしない時間」をタスク化する
矛盾しているようで、意外と効く方法。
- 何もしないで散歩する
- コーヒーを飲みながらぼーっとする
- 公園で空を眺める
これを、そのまま手帳やToDoに書く。
10:00〜11:00 何もしない散歩
15:00〜15:30 コーヒー休憩(ぼーっとする)
すると、「何もしていない時間」が、
サボりではなく「今日のタスクの1つ」に変わる。
③ 1日の「上限」を決める
FIRE後も、やろうと思えばタスクはいくらでも作れる。
そこで、
- 今日はタスク3つまで
- 午前中に1〜2個やったら、午後はフリー
- 集中時間は1〜2時間まで
など、「やることの上限」を決めてしまう。
上限を決めることで、
それ以上やらない自分を責めにくくなる。
④ 評価軸を「成果」から「状態」に少しずつずらす
会社モードの評価軸は、
- いくら稼いだか
- どんな成果を出したか
- どれだけ忙しかったか
になりがちだ。
FIRE後は、少しずつ、
- 今日はよく眠れたか
- よく笑えたか
- 家族と穏やかに過ごせたか
- 心と体の調子はどうか
といった「状態ベースの評価軸」を混ぜていく。
毎日でなくていいので、
その日よかったことを3つ書く、
自分を褒められるポイントを1つ見つける。
そんな小さな習慣が、
「成果だけで自分を測るクセ」を少しずつ弱めてくれる。
⑤ 小さな「役割」を少しだけ持っておく
完全に役割ゼロになると、
このままで本当にいいのか?
という不安が強く出やすい。
そこで、
- 家族の中での役割
- 趣味サークルでの役割
- 小さなコミュニティでの役割
- ブログや発信での役割
など、「小さな単位の役割」を少しだけ持っておくと、バランスが取りやすい。
ポイントは、大きな責任ではなく、
いてくれるとちょっと助かる、くらいの役割にしておくこと。
僕の感覚
FIRE後の「自由なのに落ち着かない」は、
自由に慣れるためのリハビリ期間みたいなもの。
何十年もかけて身についた「働きグセ」や、
「成果を出していないと不安」というOSは、
数カ月・数年で完全には消えない。
だから、
あ、自分はまだ会社員モードのOSで動いているな。
と気づけた時点で、大きく前進している。
あとは、自分を責めずに、
休む練習を少しずつ重ねていけばいい。
「休む能力」も、筋トレのように育てていくもの。
まとめ
- FIRE後、「自由なのに落ち着かない」はよくある
- 原因は、成果主義モードや「働いていない=サボり」思考の残り香
- それは欠陥ではなく、長年の習慣としての心のクセ
- 「休む時間」を意識的に選び、タスク化すると罪悪感が減る
- 1日の「やることの上限」を決めると、やらない自分を責めにくい
- 評価軸を「成果」だけでなく「状態」にも広げていく
- 完全ゼロではなく、小さな役割を少しだけ持っておくと心が安定しやすい
次回は、「FIRE後、周りと話が合わなくなってきた問題」をテーマに、
同世代との時間軸のズレや、人間関係の距離感の取り方について整理する予定。
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