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89.FIRE後にのんびりしていると“サボっている気がする”——罪悪感との付き合い方と、怠けと余白の境界線

前回の記事では、

FIRE後も消えない「もっと成長しなきゃ」という感覚と、
成長の意味を“外側の成果”から「広がり・深まり・休む力」に広げる考え方

について整理した。

ただ、もうひとつFIRE後あるあるの感覚がある。

今日はわりとのんびり過ごした。
楽しかったけど、なんかサボってる気もする……。

仕事も勉強も「大したことをしていない日」、予定が少なくゆっくり過ごした休日、
子どもと遊んでいたら1日が終わった日。
そんな日ほど、夜にふと罪悪感が出てくることがある。

この記事では、この「のんびり=サボり」と感じてしまう罪悪感との付き合い方を整理していく。


目次

結論:余白もちゃんと「人生の仕事の一部」にする

FIRE後は、「常に何か生産し続けること」をやめて、
余白も人生の仕事の一部だと再定義する必要がある。

  • 怠けと余白の境界線を、自分なりに言葉にしておく
  • 一日の「これだけやったらOKライン」を決める
  • 休むこと自体の目的を決めておく

なぜFIRE後、「のんびり=サボり」に感じてしまうのか?

① 「忙しい=えらい」という文化の中で生きてきたから

長年、仕事をしていると、

  • 忙しそうにしている人は頑張っている
  • 予定が詰まっているのは「有能」のサイン
  • ヒマそうにしていると、なんとなく後ろめたい

という空気の中で暮らしてきたことが多い。

その結果、

何もしていない自分 = 役に立っていない自分 = ダメな自分

という図式が、頭のどこかに刻まれている。

② 「成果」と「自分の価値」が結びつきすぎているから

今日どれだけ働いたか、どれくらい進捗が出たか、どれだけ人に感謝されたか。
こうした「外側の成果」が、そのまま自分の価値のスコアのように感じてしまうことがある。

すると、

  • 成果が少なかった日
  • ダラッとしてしまった日

が、「今日の自分の価値は低い日」に見えてしまう。

③ FIRE=「楽して生きる」と見られるのが怖いから

FIREという選択は、「働かないで生きている人」「楽している人」というイメージで見られがちでもある。

そのため、FIREした本人の中にも、

本当はのんびりしたいけど、自分まで“楽してるだけの人”になってしまう気がして怖い。

という感覚が生まれやすい。

この「他人の視線の代弁者」が頭の中に住みつき、のんびりしている自分を責めてしまう。


怠けと余白の境界線を、自分の言葉で決めておく

① 「怠け」と「余白」は、本来ちがうもの

まず整理しておきたいのは、

怠け = 本来やりたい・やるべきと思っていることから逃げ続ける状態
余白 = やるべきことをやったうえで、あえて何もしない時間を残している状態

という違い。

同じ「ソファでゴロゴロしている1時間」でも、

  • やるべき最低限も投げ出して現実から逃げている1時間
  • 今日はこれだけやったから、あとは休んでOKと決めた1時間

では、中身はまったく違う。

② 一日の「OKライン」を先に決める

罪悪感が強い人ほど、「今日はこれだけできたらOK」という基準を、事前ではなく「後出し」で決めていることが多い。

そこで、

  • 仕事や作業を◯時間
  • 家事・育児でこれだけ動く
  • 勉強や運動を少しでもやる

など、自分の中の“その日分のOKライン”を朝や前日のうちに決めておく。

ここまでできたら、今日は合格。
それ以降は余白タイム。

と、自分で宣言してしまう。

③ 「意図的に何もしない時間」を予定表に入れる

何もしない時間は、「余ったら休むもの」ではなく、最初から予定として確保するものに変えてしまう。

  • カレンダーに「ノープランタイム」と書く
  • 家族カレンダーにも「何も入れない日」として共有しておく
  • ToDoリストに「午後は何もしない」とあえて書く

こうすると、「サボってしまった時間」ではなく、「予定どおり“何もしない時間”という仕事をこなした」感覚に変わる。


罪悪感との付き合い方:実践アイデア

① 罪悪感を「悪者」にせず、ただラベリングする

のんびりしているときに、ふと出てくる、

こんなにダラダラしてていいのかな……

という感覚。

追い払おうとしたり、逆に飲み込まれたりせず、

あ、今“サボってる気がする罪悪感”が出てきたな。

とラベリングするだけでいい。

一歩引いて眺めるだけで、罪悪感の圧は少し弱まる。

② 休むことにも「目的」を与える

罪悪感は、「目的もなくただボーッとしている自分」を無駄だと判断するところから生まれがちだ。

そこで、休むことにも役割を与えてしまう。

  • 明日のパフォーマンスを上げるための充電タイム
  • 子どもにイライラしないためのメンタル調整タイム
  • 長期的な健康を守るためのメンテナンス時間

「これはサボりではなく、明日以降の自分への投資だ」と名前をつけておくと、のんびりタイムに意味が生まれる。

③ 「何もしていないようで、実はしていること」に目を向ける

ソファでダラッとしている時間でも、実は、

  • 脳が情報を整理している
  • これまで考えてきたことがじわじわ熟成している
  • 身体が緊張を解いている
  • 家族が「この人はちゃんと休めている」と安心している

といったことが起きている。

「目に見える成果がない=何も起きていない」ではない。

④ “ちゃんとサボる”と決めてみる

どうせサボるなら、

  • なんとなくダラダラ罪悪感つきサボり

ではなく、

  • 今日は14:00〜17:00は「ちゃんとサボる時間」

と決めてしまうのも一つの方法だ。

そして、その時間が終わったら「今日のサボりミッション完了」と切り替える。
オンオフの線引きに慣れてくると、ダラダラ長引く罪悪感も減っていく。

⑤ 「それでもまだ不安になる日」は、過去の自分とだけ比べる

のんびり過ごした日に、

こんな生き方で、本当にこの先大丈夫かな……

と長期的な不安まで出てきたときは、他人ではなく「過去の自分」とだけ比べてみる。

  • 昔の自分より、生活の自由度は上がっているか?
  • 昔の自分より、お金の不安は軽くなっているか?
  • 昔の自分より、家族との時間を持てているか?

ここに小さな「Yes」がいくつかあれば、それだけで十分前に進んでいる。


僕の感覚

FIRE後に「何もしていない時間」が増えるのは、失敗ではなく、むしろ“目的どおり”でもある。

常に何かをしていないといけないという呪いが少しずつ弱まり、
何もしない時間の中から、本当にやりたいことが浮かび上がってくる。

のんびりできること自体が、FIREの成果の一つだと考えていい。


まとめ

  • FIRE後、「のんびり=サボり」に感じてしまうのはよくある
  • 背景には「忙しい=えらい」「成果=自分の価値」という文化がある
  • 怠けと余白は別物
    • 怠け:やるべきことから逃げ続ける状態
    • 余白:やるべきことをやったうえで、あえて何もしない時間
  • 罪悪感を減らすために:
    • 一日のOKラインを先に決める
    • 何もしない時間も予定に入れる
    • 罪悪感をラベリングする
    • 休むことにも「目的」と「役割」を与える
    • あえて“ちゃんとサボる時間”を決める

次回は、「FIRE後、“自分にだけやたら厳しい”問題」をテーマに、
セルフイメージと自己肯定感の整え方について整理する予定。

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30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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