前回の記事では、
FIRE後、「自分って何者なんだろう?」問題と、
肩書きがなくなったあとの“余白”との付き合い方
について整理した。
ここまで来ると、次に出てくるのはかなりシンプルだけど重たい疑問だ。
で、FIREした後、
何を目標に生きていけばいいんだろう?
目標がないと、サボっている気がする。
かといって、目標を詰め込むと、会社員時代と同じくらい苦しくなる。
今日はこの「目標ゼロ不安」と「目標詰め込み焦り」を両方扱いつつ、
FIRE後の目標とのちょうどいい距離感を整理していきたい。
結論:でかい目標より、「方向性+小さな行動+ときどきの振り返り」で十分
FIRE後は、「でかい目標」よりも、
“方向性+小さな行動+ときどきの振り返り”くらいがちょうどいい。
- 目標は「自分を縛るルール」ではなく、「コンパス」にする
- 人生のテーマ(方向)さえあれば、細かい数値目標は消してもいい
- 目標ゼロも、目標ギチギチも極端すぎる
- 「今期はこの方向を少しだけ大事にする」で十分まわる
FIRE後に出やすい“2つの極端”
① 「目標がない=ダメ人間?」と感じるパターン
FIRE後にありがちなモヤモヤ。
- 朝起きても、やるべきノルマがない
- 締め切りもKPIもない
- 「このままダラダラしてて、いいんだろうか…?」
会社員時代は、
- 会社が勝手に「目標」と「締め切り」を配ってくれていた
- 「やるべきこと」が常にあった
ので、目標ゼロの状態に慣れていないだけ、というケースも多い。
② 逆に「目標を詰め込みすぎて、また苦しくなる」パターン
一方で、
- 「せっかく時間ができたんだから、全部やらないと損だ」
- 語学、資格、筋トレ、読書、ブログ、投資研究…と全部盛り
- 毎日ToDoリストに追われて、また自己嫌悪
という、FIRE後・セルフブラック企業化もよく起こる。
「時間を取り戻したはずなのに、
なぜかまた自分を追い込んでいる…」
と感じる人はここにハマっている。
なぜ「目標ゼロ」も「目標ギチギチ」も、どちらもつらいのか?
① 仕事が「目標」と「評価の物差し」をくれていたから
会社員時代は、
- 目標:上司・会社がセット
- 評価:人事や給与が決めてくれる
という仕組みがあった。
FIRE後は、これが全部外れる。
- 目標も自分で決める
- 評価も自分で決める
ここがうまく切り替わらないと、
- 「目標ゼロ=サボり」
- 「目標ギチギチ=頑張ってる“風”」
になりやすい。
② 「目標=常に上を目指すもの」という前提がきつい
よくある目標のイメージは、
- もっと稼ぐ
- もっと学ぶ
- もっと成果を出す
と、常に“もっともっと”を求めるスタイル。
FIRE後までこれを持ち込むと、
「今の生活を味わう」よりも、
「今の生活に足りないもの探し」のほうが増えてしまう。
FIRE後の目標とのちょうどいい距離感
① 「目標」ではなく、「方向性」のほうを重くする
FIRE後は、
「数値目標」より「方向性・テーマ」を大事にするほうが相性がいい。
例:
- 数値目標:年間◯◯冊本を読む、◯kgまで体重を落とす
- 方向性・テーマ:
- 「これから数年は“学び直し”を生活の軸にする」
- 「家族時間と健康を最優先にする時期にする」
方向性さえ決まっていれば、
細かい数値は“参考情報”くらいでいい。
② 「これができたらOKライン」を下げておく
会社員時代は、
- できて当たり前ライン
- プラスアルファを求められるライン
が高く設定されがちだった。
FIRE後は、
これができてたら、
今日はもう“合格”でいいか
という「1日のOKライン」をわざと低くするのがおすすめ。
例:
- 30分だけ散歩する
- 子どもと10分しっかり遊ぶ
- 本を10ページ読む
このくらいの粒度にすると、
- 達成感が積み上がりやすい
- 自己否定ループに入りにくい
③ 目標を「持つ/手放す」を、もっと気軽にしていい
FIRE後の目標は、
- 一度決めたら死守するものではなく
- 「今はこれを大事にしてみるか」くらいの仮置きでいい
やってみて違ったら、やめてもいい。
別の方向が気になったら、そっちを試してもいい。
“方向転換の自由”も、FIREの大事な一部だと考えておきたい。
FIRE後の“ゆるい目標設計” 4ステップ
ステップ① 「年間テーマ」を1〜2個だけ決める
いきなり細かい目標を10個並べる必要はない。
まずは、
今年はざっくり言うと、何の年にしたいか?
を1〜2個だけ決めてみる。
例:
- 「家族時間と健康を整える年」
- 「学び直しのベースを作る年」
- 「小さな仕事を試し始める年」
ステップ② 季節ごとに「やってみたいことリスト」を作る
年間テーマを決めたら、それを3か月〜半年単位の“やってみたいこと”に分解する。
例:テーマ「健康」×「学び直し」の場合
- 春:
- 近所のジムを見学してみる
- 気になっていたオンライン講座に1つだけ申し込む
- 夏:
- 朝の散歩を週3回やってみる
- 講座のアウトプットとして、ノートをまとめてみる
- 秋:
- 健康診断+気になるところを受診
- 学んだことをブログやノートで公開してみる
全部やらなくていい。
「この中から、できたらラッキー」くらいの距離感でOK。
ステップ③ 週に一度だけ、「今週大事にしたいこと」を3つ書く
日々のToDoリストをギチギチにするより、
週に1回だけ、ざっくり優先順位を決めるほうが続きやすい。
今週、大事にしたいこと(3つまで)の例:
- 子どもと外に遊びに行く日を1日作る
- 本を1冊だけ、途中まででいいから読み進める
- 健康診断の予約を入れる
それ以外の用事は、
「できたらボーナス」扱いでいい。
ステップ④ 月 or 季節ごとに、軽く「振り返りメモ」を書く
最後に、月1回〜季節ごとでいいので、
- できたこと
- やってみて違ったこと
- 来月/次の季節は、何を少しだけ変えたいか
を数行メモしておく。
「ちゃんとできたか?」ではなく、
「どんなふうに過ごせたか?」を眺めるイメージ。
これを続けると、
- 目標に縛られる感覚から
- 自分の時間の流れを、ゆっくり編集していく感覚へ
少しずつ変わっていく。
僕の感覚
FIRE後の目標は、
「人生を変える巨大プロジェクト」ではなく、
「今の人生を少しだけ味わいやすくするための補助線」くらいがちょうどいい。
目標ゼロで不安になるのは、「会社目標に慣れすぎていた」だけかもしれない。
目標詰め込みすぎで苦しくなるのは、「頑張る癖」がまだ強く残っているからかもしれない。
どちらにしても、“今の自分”を責める材料にしないことがいちばん大事。
方向性+小さな行動+ときどきの振り返り。
この3つさえあれば、FIRE後の時間は、静かにでも確実に整っていく。
まとめ
- FIRE後は「目標ゼロ不安」と「目標詰め込み焦り」の両方が出やすい
- それは、会社が目標と評価を配ってくれる世界から、自分で決める世界に切り替わったことによる揺れ
- 目標とのちょうどいい距離感のポイント:
- 数値より「方向性・テーマ」を重くする
- 1日のOKラインを意識的に下げる
- 目標は“仮置き”にして、合わなければ気軽に手放す
- 実務ステップ:
- 年間テーマを1〜2個決める
- 季節ごとの「やってみたいことリスト」を作る
- 週1回、「今週大事にしたい3つ」を書く
- 月/季節ごとに、さらっと振り返る
次回は、「FIRE後、“社会の役に立てていない気がする”モヤモヤとの付き合い方」をテーマに、
仕事以外の「貢献」の形をどう捉え直すか整理する予定。
コメント