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92.FIRE後、“目標がない不安”と“目標を詰め込みすぎる焦り”——目標とのちょうどいい距離感

前回の記事では、

FIRE後、「自分って何者なんだろう?」問題と、
肩書きがなくなったあとの“余白”との付き合い方

について整理した。

ここまで来ると、次に出てくるのはかなりシンプルだけど重たい疑問だ。

で、FIREした後、
何を目標に生きていけばいいんだろう?

目標がないと、サボっている気がする。
かといって、目標を詰め込むと、会社員時代と同じくらい苦しくなる。

今日はこの「目標ゼロ不安」と「目標詰め込み焦り」を両方扱いつつ、
FIRE後の目標とのちょうどいい距離感を整理していきたい。


目次

結論:でかい目標より、「方向性+小さな行動+ときどきの振り返り」で十分

FIRE後は、「でかい目標」よりも、
“方向性+小さな行動+ときどきの振り返り”くらいがちょうどいい。

  • 目標は「自分を縛るルール」ではなく、「コンパス」にする
  • 人生のテーマ(方向)さえあれば、細かい数値目標は消してもいい
  • 目標ゼロも、目標ギチギチも極端すぎる
  • 「今期はこの方向を少しだけ大事にする」で十分まわる

FIRE後に出やすい“2つの極端”

① 「目標がない=ダメ人間?」と感じるパターン

FIRE後にありがちなモヤモヤ。

  • 朝起きても、やるべきノルマがない
  • 締め切りもKPIもない
  • 「このままダラダラしてて、いいんだろうか…?」

会社員時代は、

  • 会社が勝手に「目標」と「締め切り」を配ってくれていた
  • 「やるべきこと」が常にあった

ので、目標ゼロの状態に慣れていないだけ、というケースも多い。

② 逆に「目標を詰め込みすぎて、また苦しくなる」パターン

一方で、

  • 「せっかく時間ができたんだから、全部やらないと損だ」
  • 語学、資格、筋トレ、読書、ブログ、投資研究…と全部盛り
  • 毎日ToDoリストに追われて、また自己嫌悪

という、FIRE後・セルフブラック企業化もよく起こる。

「時間を取り戻したはずなのに、
なぜかまた自分を追い込んでいる…」

と感じる人はここにハマっている。


なぜ「目標ゼロ」も「目標ギチギチ」も、どちらもつらいのか?

① 仕事が「目標」と「評価の物差し」をくれていたから

会社員時代は、

  • 目標:上司・会社がセット
  • 評価:人事や給与が決めてくれる

という仕組みがあった。

FIRE後は、これが全部外れる。

  • 目標も自分で決める
  • 評価も自分で決める

ここがうまく切り替わらないと、

  • 「目標ゼロ=サボり」
  • 「目標ギチギチ=頑張ってる“風”」

になりやすい。

② 「目標=常に上を目指すもの」という前提がきつい

よくある目標のイメージは、

  • もっと稼ぐ
  • もっと学ぶ
  • もっと成果を出す

と、常に“もっともっと”を求めるスタイル

FIRE後までこれを持ち込むと、

「今の生活を味わう」よりも、
「今の生活に足りないもの探し」のほうが増えてしまう。


FIRE後の目標とのちょうどいい距離感

① 「目標」ではなく、「方向性」のほうを重くする

FIRE後は、
「数値目標」より「方向性・テーマ」を大事にするほうが相性がいい。

例:

  • 数値目標:年間◯◯冊本を読む、◯kgまで体重を落とす
  • 方向性・テーマ:
    • 「これから数年は“学び直し”を生活の軸にする」
    • 「家族時間と健康を最優先にする時期にする」

方向性さえ決まっていれば、
細かい数値は“参考情報”くらいでいい

② 「これができたらOKライン」を下げておく

会社員時代は、

  • できて当たり前ライン
  • プラスアルファを求められるライン

が高く設定されがちだった。

FIRE後は、

これができてたら、
今日はもう“合格”でいいか

という「1日のOKライン」をわざと低くするのがおすすめ。

例:

  • 30分だけ散歩する
  • 子どもと10分しっかり遊ぶ
  • 本を10ページ読む

このくらいの粒度にすると、

  • 達成感が積み上がりやすい
  • 自己否定ループに入りにくい

③ 目標を「持つ/手放す」を、もっと気軽にしていい

FIRE後の目標は、

  • 一度決めたら死守するものではなく
  • 「今はこれを大事にしてみるか」くらいの仮置きでいい

やってみて違ったら、やめてもいい。
別の方向が気になったら、そっちを試してもいい。

“方向転換の自由”も、FIREの大事な一部だと考えておきたい。


FIRE後の“ゆるい目標設計” 4ステップ

ステップ① 「年間テーマ」を1〜2個だけ決める

いきなり細かい目標を10個並べる必要はない。
まずは、

今年はざっくり言うと、何の年にしたいか?

を1〜2個だけ決めてみる。

例:

  • 「家族時間と健康を整える年」
  • 「学び直しのベースを作る年」
  • 「小さな仕事を試し始める年」

ステップ② 季節ごとに「やってみたいことリスト」を作る

年間テーマを決めたら、それを3か月〜半年単位の“やってみたいこと”に分解する。

例:テーマ「健康」×「学び直し」の場合

  • 春:
    • 近所のジムを見学してみる
    • 気になっていたオンライン講座に1つだけ申し込む
  • 夏:
    • 朝の散歩を週3回やってみる
    • 講座のアウトプットとして、ノートをまとめてみる
  • 秋:
    • 健康診断+気になるところを受診
    • 学んだことをブログやノートで公開してみる

全部やらなくていい。
「この中から、できたらラッキー」くらいの距離感でOK。

ステップ③ 週に一度だけ、「今週大事にしたいこと」を3つ書く

日々のToDoリストをギチギチにするより、
週に1回だけ、ざっくり優先順位を決めるほうが続きやすい。

今週、大事にしたいこと(3つまで)の例:

  • 子どもと外に遊びに行く日を1日作る
  • 本を1冊だけ、途中まででいいから読み進める
  • 健康診断の予約を入れる

それ以外の用事は、
「できたらボーナス」扱いでいい。

ステップ④ 月 or 季節ごとに、軽く「振り返りメモ」を書く

最後に、月1回〜季節ごとでいいので、

  • できたこと
  • やってみて違ったこと
  • 来月/次の季節は、何を少しだけ変えたいか

を数行メモしておく。

「ちゃんとできたか?」ではなく、
「どんなふうに過ごせたか?」を眺めるイメージ。

これを続けると、

  • 目標に縛られる感覚から
  • 自分の時間の流れを、ゆっくり編集していく感覚へ

少しずつ変わっていく。


僕の感覚

FIRE後の目標は、
「人生を変える巨大プロジェクト」ではなく、
「今の人生を少しだけ味わいやすくするための補助線」くらいがちょうどいい。

目標ゼロで不安になるのは、「会社目標に慣れすぎていた」だけかもしれない。
目標詰め込みすぎで苦しくなるのは、「頑張る癖」がまだ強く残っているからかもしれない。

どちらにしても、“今の自分”を責める材料にしないことがいちばん大事。

方向性+小さな行動+ときどきの振り返り。
この3つさえあれば、FIRE後の時間は、静かにでも確実に整っていく。


まとめ

  • FIRE後は「目標ゼロ不安」と「目標詰め込み焦り」の両方が出やすい
  • それは、会社が目標と評価を配ってくれる世界から、自分で決める世界に切り替わったことによる揺れ
  • 目標とのちょうどいい距離感のポイント:
    • 数値より「方向性・テーマ」を重くする
    • 1日のOKラインを意識的に下げる
    • 目標は“仮置き”にして、合わなければ気軽に手放す
  • 実務ステップ:
    • 年間テーマを1〜2個決める
    • 季節ごとの「やってみたいことリスト」を作る
    • 週1回、「今週大事にしたい3つ」を書く
    • 月/季節ごとに、さらっと振り返る

次回は、「FIRE後、“社会の役に立てていない気がする”モヤモヤとの付き合い方」をテーマに、
仕事以外の「貢献」の形をどう捉え直すか整理する予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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