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95.FIREを目指さなくてもいい──「FIRE思考」だけ働き方に取り入れる方法

前回の記事では、

FIRE後に「もう一度働きたくなったとき」の戻り方と、
戻る=失敗ではなく“モード切り替え”として捉える発想

について整理した。

ここまで来ると、こんな人もいると思う。

そもそも完全FIREまでは行かなくていいかも。
でも、FIREの考え方は働き方に活かしたい。

今日は、完全FIREを目指さなくても使える「FIRE思考のエッセンス」と、
それをふつうの働き方・会社員生活にどう混ぜるかをまとめておきたい。


目次

結論:FIREは「辞めるかどうか」の話だけじゃない

FIREは「会社を辞めるかどうか」の話ではなく、
生活費・自由度・働き方をセットで設計する
“フレームワーク”として使える。

完全FIREを目指さなくても、会社を辞めなくても、
FIREの考え方だけ取り入れるだけで、
働き方のストレスはかなり下げられる。


「FIRE思考」のエッセンスはこの3つだけ

① まず「生活費ベース」で考える

従来の働き方:

年収はいくら欲しいか?
できるだけ多く稼いだ方が安心。

FIRE思考:

うちの生活が“普通に幸せ”で回るラインはいくらか?
その生活費を満たせれば、あとは「プラス」扱いでいい。

「最低限ライン」と「ふつうに幸せライン」。
この2本が分かるだけで、転職・残業・副業の判断がラクになる。

② 「資産」と「労働収入」の役割分担を決める

従来の発想:

とにかく年収を増やす → 余った分を貯める。

FIRE思考:

生活費のどこまでを「労働」に任せるか。
どのくらいを「資産の力」に任せたいか。

すべてを労働に背負わせず、
一部を長期投資や取り崩しに任せるだけでも、
「今の仕事への依存度」が少し下がる。

③ 働き方を「0か100」ではなく、連続体で見る

よくある2択:

  • フルタイム正社員でフルコミット
  • 完全FIREで一切働かない

FIRE思考では、こう捉える。

いまの立ち位置は「フルタイム寄り」でもいい。
ただ、将来いつでも「週3」「フリーランス」「短時間勤務」に
寄せられる“レール”だけは持っておく。

「いつでもそっちに寄せられる設計か?」を意識するだけでも、
心の中に“逃げ場”がひとつ増える。


会社員のまま「FIRE思考」を混ぜる具体例

① 生活費の「ミニマムライン」と「これ以上削らないライン」を決める

  • ミニマムライン:最低限、生活が回る金額
  • これ以上削らないライン:ここを下回ると幸福度が下がりすぎる金額

この2本があると、
年収が少し下がる転職や、残業が減る代わりに手当が減る選択も、

ミニマムラインは守れているからOK。
この条件なら、自由時間の方を優先してもいい。

と判断しやすくなる。

② 「生活費+αでOK」という“満額ライン”を決める

従来:

もっと年収が欲しい。まだ足りない気がする。

FIRE思考:

生活費+将来の貯蓄・教育費に、
月◯万円乗せられればOK。
それ以上は、「あればうれしいけど、なくてもいいオマケ」。

この“満額ライン”があると、

  • ボーナスのために無理な残業を飲むか
  • 昇進と引き換えに自由時間を差し出すか

の判断でブレにくくなる。

③ 働き方の判断軸を「自由度が上がるか?」にする

転職・異動・昇進・副業などの選択肢が出てきたら、

  • 年収がいくら上がるか?

だけでなく、

  • 時間や場所の自由度は上がるか?
  • 家族との時間は増えるか?
  • 心の余白は増えるか?

も一緒に見る。

「自由度」という軸があるだけで、
見える景色が変わる。


キャリア設計に「ミニFIRE発想」を混ぜる

① 人生のどこかで「サバティカルモード」を入れられないか考える

  • 5〜7年働いたら、半年〜1年の長い休みを取る
  • 育休・介護休暇・留学・転職の合間を「FIRE寄りモード」として使う

完全FIREを目指さなくても、人生のどこかで
「ほぼFIRE状態」を挟むだけで、消耗度はかなり違う。

② セミFIRE寄りの働き方に寄せる

  • 正社員だけど週4勤務にする
  • フルタイムのまま、裁量労働やリモート比率を増やす
  • 残業前提の職場から、残業少なめの職場へ移動する

「年収マックス」を狙う代わりに、
「FIRE的な自由度」を上げる方向に舵を切る。

③ 副業で「会社以外のレーン」を細く作っておく

  • すぐに独立するつもりはなくても、月1〜3万円の副業を育てる
  • 会社以外の収入源を細く持っておく

それだけでも、将来セミFIREに寄せたくなったとき、
移行がスムーズになる。


メンタル面でのメリット

① 「一生この働き方」という呪いから解放される

FIRE思考を取り入れると、
今の働き方が“一生続く前提”じゃなくなる。

「この会社で何十年も…」という圧迫感や、
「今の年収レベルを死守しないと…」という不安から、
少し距離が取れる。

② 今の仕事が「仮のベースキャンプ」に見えてくる

いまはここでキャッシュフローを安定させる。
資産を育てつつ、将来の選択肢を増やす。
タイミングが来たら、別の働き方にスライドしてもいい。

今の仕事=永住地ではなく、
「次の場所に移るためのベースキャンプ」と見えるだけで、
しんどさが少し軽くなる。

③ FIREを「逃げ場」ではなく「選択肢」として持てる

FIREを「すべてが嫌になったときの出口」としてだけ見ると、
いまの仕事が全て「悪」に見えてしまう。

FIRE思考を日常に混ぜておくと、

  • 今の仕事の中で、FIRE寄りの工夫ができる
  • 完全に辞めなくても、自由度を上げられる

という「中間地点」が増える。


「FIRE思考」の取り入れ方でハマりがちな罠

① FIREコンテンツを見すぎて、今の現実を否定し始める

  • SNSで超早期FIRE勢ばかり眺める
  • 今の自分の働き方と比べて、全部イヤになる

思考としてはFIRE寄りなのに、現実は何も変わらず、
メンタルだけすり減るパターンになりがち。

すぐには変えられないけれど、
今日の意思決定を1ミリだけFIRE寄りにする。

くらいの温度で混ぜるのがちょうどいい。

② 今の仕事を「悪者」にしてしまう

  • 「会社=人生を奪う敵」
  • 「上司=自由の敵」

と見始めると、日常が戦場モードになる。

FIRE思考は、「会社をどう倒すか」ではなく、

会社との距離感をどう設計するか

の話。

給与をもらいながら将来の選択肢を育てる場所、
社会と接続しつつFIRE的な自由度を少しずつ高める場所、
という“使い方の視点”で見てみるのがおすすめだ。


僕の感覚

FIREは、「全員が完全FIREを目指すべき」思想ではなくて、
働き方と生き方を見直すための「大きめのヒント集」に近い。

完全FIREまで行く人もいれば、セミFIRE寄りで落ち着く人もいるし、
考え方だけ取り入れて、「会社員+ちょっとFIRE思考」で終わる人もいる。

どのパターンも、ちゃんと“FIREの恩恵”を受けた人だと思う。


まとめ

  • FIRE思考は、「辞めるかどうか」だけの話ではない
  • 生活費ベースで働き方を考えると、判断がラクになる
  • 資産と労働収入の役割分担を決めるだけでも、仕事への依存度が下がる
  • 働き方を0か100ではなくグラデーションで見ると、“逃げ場”が増える
  • 完全FIREを目指さなくても、少し混ぜるだけで働き方の息苦しさは軽くできる

次回は、「FIREの“正解探し”から降りる」をテーマに、
情報に振り回されず、自分版ルールブックを作る方法を整理していく予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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