前回の記事では、
オルカン or S&P500──「どれを買うか」
という、いわゆるインデックスの選び方を整理した。
ここまで来ると、次の疑問はほぼこれだと思う。
株式だけでいいの?
債券とか現金って、どれくらい持てばいいの?
SNSを見ていると、
- 「株式100%でいい!」
- 「いや、債券も必要!」
みたいな主張が飛び交っていて、これまた騒がしい。
この記事では、
- FIREに債券や現金は必要なのか?
- 株式100%のリスク
- 「守りの資産」が果たす役割
を、FIRE目線で整理していく。
結論:FIREでは「守りの資産」がかなり重要
いきなり結論から。
働いている間は株式多めでもいい。
でも、FIREした後は
守りの資産(債券・現金)がかなり重要。
理由はシンプルだ。
- 収入がない
- 生活費は資産から出す
- 暴落しても、生き続けないといけない
つまり、FIRE後は
「増やすゲーム」から「守る&使い続けるゲーム」に、ルールが変わる。
株式100%の強みと弱み
✔ 強み
- 長期的なリターンが最も高い
- 資産が増えるスピードが速い
- 若くて現役なら、かなり合理的
❌ 弱み
- 下がるときは容赦なく下がる
- 生活費を取り崩すタイミングと重なると致命傷
- メンタルが折れて「売ってしまう」と終わる
現役期(収入がある時期)に株式100%で攻めるのと、
FIRE後(収入がない時期)に株式100%で突っ込むのは、
まったく別のゲームだと思っておいた方がいい。
債券の役割は「増やす」ではなく「安定させる」
債券って、正直こう思われがちだ。
- 「リターン低いし、いらないのでは?」
- 「株式の方が長期的には強いでしょ?」
でも、債券の本質は 「増やす」 ではなく 「安定させる」 にある。
株式が崩れたときでも、
ポートフォリオ全体を壊さないための“ショック吸収材”。
だから、リターンだけで見ると物足りなく感じるかもしれないが、
FIRE後の「守り」には相性がいい。
FIRE後に債券が効く場面
イメージしやすいように、ざっくりした例を出してみる。
ある年のリターン(ざっくりイメージ)
株式:▲30%
債券:±0〜+5%
このとき、
- 株式を仕方なく売って生活費を出すのか
- 債券や現金から生活費を出して「株式は寝かせておく」のか
この違いで、
長期の取り崩しリスクがまったく変わってくる。
暴落時でも、
「株式に触らず、債券や現金で数年はしのげる」
という状態を作れるかどうか。
これが、債券を含めた
「守りの資産」の意味だと思っている。
現金の役割は「安心」と「時間を買う」
現金にも、はっきりと役割がある。
① 安心(メンタルの安定装置)
生活費◯年分が現金で確保されている。
これだけで、日々の安心感はかなり変わる。
「資産はあるけど、ほぼ全部が株式」
と、
「株式+債券+生活費数年分の現金」
では、同じ資産額でも心の軽さが別物になる。
② 時間を買う(回復を待つための余裕)
株価が大きく下落したとき、
現金クッションがあれば、
「回復するまで、売らずに待てる」
という選択が取れる。
逆に、現金が薄いと、
「今、売らないと生活費が出ない」
という状況になりやすい。
現金は、
メンタルの安定剤であり、
相場の回復を待つ「時間」を買う武器。
と捉えると、役割が見えやすくなる。
FIRE目線のざっくりした考え方
細かい最適解を追いすぎるとしんどいので、
FIRE目線ではこのくらいのざっくり感で十分だと思う。
現役期 :株式多めでもOK
FIRE期 :株式+債券+現金のバランス重視
具体的な比率は人それぞれ。
ただ、
- 収入源があるうちはリスク許容度も高い
- 資産から生活する段階では「守り」を厚く
という方向性だけは、押さえておきたい。
やりがちな失敗パターン
FIRE界隈でありがちな失敗は、だいたいこの形だ。
- 現役時代と同じノリで株式100%のままFIRE突入
- 大きな暴落が来る
- 生活費のために「一番安いとき」に株を売る
- 立て直せず、「FIRE無理だった…」となる
数字の上では「期待リターンが高い」かもしれないけれど、
人間のメンタルがその前提についていかないことが多い。
僕の感覚
僕の感覚では、
「最大リターン」を取りに行くより、
「夜ちゃんと眠れるか」の方が大事。
FIREは、
不安を増やすための仕組みではなく、
心を軽くするための仕組み。
だからこそ、
あえてリスクを落としてでも
「守りの資産」を厚めに持つ選択は、
十分にアリだと思っている。
まとめ
- FIRE後は「守りの資産(債券・現金)」がかなり重要
- 債券=儲けるためではなく、ポートフォリオを安定させるため
- 現金=精神安定剤 + 相場回復を待つための「時間」
- 株式100%のままFIRE突入は、メンタル的にもリスク大
次回は、「FIREに向けたポートフォリオの作り方」をテーマに、
株式・債券・現金の組み合わせ方や、
フェーズ別のざっくりした設計方法を整理していく予定。
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