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23.FIREの必要資産はいくら?──4%ルールを“現実で使える形”に落とす考え方

前回の記事では、年間生活費の見える化について整理した。
今日は、そこから一歩進んで、いよいよ核心。

じゃあ、FIREっていくら必要なんだ?

ここに踏み込んでいく。


目次

結論

4%ルールは「万能な魔法」ではない。
でも「現実の判断基準としてとても優秀な道具」。
大事なのは、正しく理解して賢く使うこと。


まず、4%ルールってなんだっけ?

ざっくり言うと、

資産から毎年4%ずつ取り崩しても、
30年〜40年くらいは耐えられる可能性が高い。

という経験則。

よく使われるのが、
年間生活費 × 25倍 = FIREの必要資産の目安 という形。

例えば、年間生活費が300万円なら、

300万円 ÷ 0.04 = 7,500万円
  

これがいわゆる「25倍ルール」だ。


でも、ここで止まると危険

4%ルールは、

  • 絶対安全
  • 必ず成功
  • 一切揺らがない

……という話ではない。

ここを理解せずに「4%=絶対正義」みたいに扱うと、
途端に不安か極端な楽観かのどちらかに振れやすくなる。


4%ルールの“前提”をちゃんと理解する

  • 市場は上下する
  • でも平均的には成長してきた歴史がある
  • インフレはある
  • 投資前提の設計(株中心)が土台
  • あくまで「高確率で持つ可能性」の話

つまり、

「安全保証」ではなく、
“かなり戦いやすいライン”を示す指標。


じゃあ、どう使えば“現実的”なのか?

① 4%は「基準点」として使う

目安としてはすごく優秀。
判断材料としても使いやすい。

ただし、

4%を「揺るがない真理」と扱うのではなく、
“現実を考えるための物差し”として使う。


② 取り崩し率は「固定」じゃなくていい

4%にこだわる必要はない。

  • 安全重視なら → 3〜3.5%
  • 標準 → 4%前後
  • リスク許容が高いなら → 4%超えも選択肢

取り崩し率は、「状況に応じて柔軟に調整できるもの」と考える方が自然。


FIREは“一発勝負”じゃない

ときどき、

「必要資産に届いたら即FIRE、届かないなら詰み」

みたいに考えてしまう人がいる。

でも現実はもっと柔軟で、

  • 途中で取り崩し率を調整できる
  • 生活費を調整する選択肢もある
  • 軽く働いて補う選択肢もある

つまり、

FIREは「決めたら後戻り不可の人生バトル」ではない。


現実的な必要資産の考え方

シンプルな計算はこれ。

年間生活費 × 25倍 = FIRE目安資産
  

ただ、より現実的にするなら、

  • 最低限でも幸せに暮らせるライン × 25倍
  • 理想ライン × 25倍

この2つのゴールを持っておくのが強い。

数字に“幅”を持たせるだけで、
かなり現実的で、精神的にも楽な設計になる。


「足りなきゃ終わり」じゃない

FIREと聞くと、

必要資産に届かない=負け

みたいに考える人もいるけど、現実はそんなに白黒じゃない。

  • 取り崩し率を微調整する
  • 生活費を少し見直す
  • 軽く働く・少しだけ収入を持つ

いくらでも調整できる。

“修正しながら進める前提”で考えた方が、
現実のFIREには圧倒的に強い。


僕の感覚

僕の感覚では、4%ルールは
「未来を正確に当てるための道具」ではなく、
「人生設計の物差し」みたいなもの。

白黒つけるための武器ではなく、
不安を整理して現実を考えるための“補助線”。


まとめ

  • 4%ルールは万能ではないけど、とても優秀な道具
  • 年間生活費 × 25倍は「目安」
  • 取り崩し率は固定じゃなくていい
  • FIREは一発勝負ではない
  • 修正しながら進める前提で考えるのが現実的

4%ルールは、
「安心して考えるためのベース」みたいな存在。

次回は、
「現在位置の数値化」
いまの資産、年間の増加ペース、
このまま何年で届くのか?
ここを現実的に整理していく回に進む予定。

本棚
30代子持ち。夫婦でメーカー勤務。転職1回。FIREしたい。アイコンはタワシさん(https://x.com/tawashi3333)に描いていただきました。
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