前回の記事では、年間生活費の見える化について整理した。
今日は、そこから一歩進んで、いよいよ核心。
じゃあ、FIREっていくら必要なんだ?
ここに踏み込んでいく。
結論
4%ルールは「万能な魔法」ではない。
でも「現実の判断基準としてとても優秀な道具」。
大事なのは、正しく理解して賢く使うこと。
まず、4%ルールってなんだっけ?
ざっくり言うと、
資産から毎年4%ずつ取り崩しても、
30年〜40年くらいは耐えられる可能性が高い。
という経験則。
よく使われるのが、
年間生活費 × 25倍 = FIREの必要資産の目安 という形。
例えば、年間生活費が300万円なら、
300万円 ÷ 0.04 = 7,500万円
これがいわゆる「25倍ルール」だ。
でも、ここで止まると危険
4%ルールは、
- 絶対安全
- 必ず成功
- 一切揺らがない
……という話ではない。
ここを理解せずに「4%=絶対正義」みたいに扱うと、
途端に不安か極端な楽観かのどちらかに振れやすくなる。
4%ルールの“前提”をちゃんと理解する
- 市場は上下する
- でも平均的には成長してきた歴史がある
- インフレはある
- 投資前提の設計(株中心)が土台
- あくまで「高確率で持つ可能性」の話
つまり、
「安全保証」ではなく、
“かなり戦いやすいライン”を示す指標。
じゃあ、どう使えば“現実的”なのか?
① 4%は「基準点」として使う
目安としてはすごく優秀。
判断材料としても使いやすい。
ただし、
4%を「揺るがない真理」と扱うのではなく、
“現実を考えるための物差し”として使う。
② 取り崩し率は「固定」じゃなくていい
4%にこだわる必要はない。
- 安全重視なら → 3〜3.5%
- 標準 → 4%前後
- リスク許容が高いなら → 4%超えも選択肢
取り崩し率は、「状況に応じて柔軟に調整できるもの」と考える方が自然。
FIREは“一発勝負”じゃない
ときどき、
「必要資産に届いたら即FIRE、届かないなら詰み」
みたいに考えてしまう人がいる。
でも現実はもっと柔軟で、
- 途中で取り崩し率を調整できる
- 生活費を調整する選択肢もある
- 軽く働いて補う選択肢もある
つまり、
FIREは「決めたら後戻り不可の人生バトル」ではない。
現実的な必要資産の考え方
シンプルな計算はこれ。
年間生活費 × 25倍 = FIRE目安資産
ただ、より現実的にするなら、
- 最低限でも幸せに暮らせるライン × 25倍
- 理想ライン × 25倍
この2つのゴールを持っておくのが強い。
数字に“幅”を持たせるだけで、
かなり現実的で、精神的にも楽な設計になる。
「足りなきゃ終わり」じゃない
FIREと聞くと、
必要資産に届かない=負け
みたいに考える人もいるけど、現実はそんなに白黒じゃない。
- 取り崩し率を微調整する
- 生活費を少し見直す
- 軽く働く・少しだけ収入を持つ
いくらでも調整できる。
“修正しながら進める前提”で考えた方が、
現実のFIREには圧倒的に強い。
僕の感覚
僕の感覚では、4%ルールは
「未来を正確に当てるための道具」ではなく、
「人生設計の物差し」みたいなもの。
白黒つけるための武器ではなく、
不安を整理して現実を考えるための“補助線”。
まとめ
- 4%ルールは万能ではないけど、とても優秀な道具
- 年間生活費 × 25倍は「目安」
- 取り崩し率は固定じゃなくていい
- FIREは一発勝負ではない
- 修正しながら進める前提で考えるのが現実的
4%ルールは、
「安心して考えるためのベース」みたいな存在。
次回は、
「現在位置の数値化」
いまの資産、年間の増加ペース、
このまま何年で届くのか?
ここを現実的に整理していく回に進む予定。
コメント