ここまでで、FIREという考え方の前提、考え方、そして設計の方向性について整理してきた。
今日はいよいよ、FIREの超重要パーツのひとつである
「年間生活費」をどう考えるか?
ここをちゃんと整理していく回。
結論
年間生活費は「理想の数字」を作るものではない。
“現実に使える判断軸”として設計するもの。
これがめちゃくちゃ大事。
なぜ「年間生活費」がそんなに重要なのか?
理由はシンプルで、FIREの必要資産は、基本的に
年間生活費 × 25倍 = 目安
という考え方で決まることが多いから。
つまり、
年間生活費がズレていると、
FIREの設計が最初からズレる。
だからここは、“雑に決めたくないところ”。
「今の生活費」だけを見るのは危険
多くの人がやりがちなのが、
今の生活費 × 12ヶ月 = 年間生活費
という考え方。
もちろん、それもひとつの参考にはなるけれど、
FIREを考えるなら、もう少しだけ視野を広げておきたい。
- 今後の家族構成
- 住居の変化
- 教育費
- 老後の生活イメージ
- 仕事を辞めた後の生活スタイル
こういうものが関係してくる。
おすすめは「3つの生活費ライン」を持つこと
年間生活費を考えるときに、僕がおすすめしたいのは、
年間生活費を“1つの数字”で固定しないこと。
代わりに、
- 最低限でも幸せに暮らせるライン
- 今と近い感覚で暮らせるライン
- 少し余裕を持って暮らしたいライン
こういう「3つのレンジ」を持っておく。
① 最低限でも幸せに暮らせるライン
ここは、
「贅沢はしないけど、ちゃんと幸せに暮らせる」
という最低限の生活費。
いわゆる「我慢してギリギリ耐える生活費」ではなく、
「無理なく、ちゃんと人として豊かに暮らせるライン」
というのがポイント。
② 今と近い感覚で暮らせるライン
次は、
「今の生活レベルとそんなに変わらないな」
と感じるライン。
・週末に少し遊べる
・趣味もある程度楽しめる
・家族イベントもちゃんとできる
そんな現実的な感覚の生活費。
③ 少し余裕を持って暮らせるライン
そしてもうひとつ、
「少し余裕がある暮らし」
の生活費も考えておく。
例えば、
- 旅行を増やしたい
- 子どもとの思い出にお金を使いたい
- 趣味の幅を少し広げたい
こういう未来まで含めた生活費ライン。
“幅”を持った生活費は、精神的にも強い
年間生活費を「◯◯万円ピッタリ!」と固定してしまうと、
- その数字に縛られやすい
- そこからズレると、不安になりやすい
- FIRE=一発勝負っぽく感じやすい
でも、
「最低限」「標準」「少し余裕」
という3つを持つだけで、
- 柔軟に考えられる
- 現実に合わせやすい
- 精神的にかなり楽
というメリットがある。
「未来を完璧に当てる」必要はない
年間生活費を考えるときに、
つい
「完璧な数字を出さないといけない」
と思いがち。
でも現実は、
- 生活は変わる
- 家族は変わる
- 価値観も変わる
だから、
今の自分が考えられる「現実的な仮の答え」
くらいで十分。
僕の感覚
僕の感覚では、年間生活費を考える作業は、
「お金の計算」というより、
「どんな生活を送りたいか?」を考える作業。
「削れるかどうか?」より、
「どういう生活なら幸せか?」を考える方が、
結果的にブレないFIREの設計につながる気がしている。
まとめ
- 年間生活費はFIRE設計の超重要パーツ
- 今の生活費だけで考えない
- 「最低限」「標準」「少し余裕」の3ラインで考える
- 未来を完璧に当てる必要はない
- 生活費=「生き方の設計」でもある
次回は、いよいよ
「じゃあ、FIREにいくら必要なのか?」
4%ルールを“現実に使える形”で、丁寧に整理していく回に進む予定。
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